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静岡県に「食品廃棄物によるバイオガス発電所」 燃料、資金、運営も地産地消

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アーキアエナジー(東京都港区)は、「食品リサイクルと地方創生の融合」を目指し、静岡県内の食品残渣から発生させたガスで発電する「牧之原バイオガス発電所」の建設を開始した。総工費18億円、発電開始は2016年10月の予定。

650kW×24時間、年間340万kWh

牧之原バイオガス発電所は、静岡県牧之原市に現在建設中である食品残渣の中間処理施設・発電施設。なお、東海地区最大規模のバイオガス発電所でもある。

同発電所では、近隣および静岡県内から受け入れた1日当たり80トンの食品残渣を、嫌気性状態のタンク内で微生物による分解発酵させ、バイオガス(メタンガス:60%程度・CO2:40%程度)を発生させる。これを使い熱電供給をする発電機(バイオガス専焼コージェネレーションシステム)の出力は650kW(24時間稼働)で、年間340万kWhの電力を供給。これは一般家庭の約600世帯分の電力に相当し、立地する地元地区の全世帯を賄うこともできる。売電先は、PPS(特定規模電気事業者)を予定している。

同事業は、静岡県内の食品残渣を静岡の施設で処理し、なおかつエネルギーを創生するという「完全地産地消」を実現している。また、補助金などを一切使わない全額民間資金プロジェクトでもあり、資金調達も地元金融機関を主体に行うことで「ファイナンス面での地産地消」・工事や完成後の運営についても可能な限り地元企業に依頼し、「地方経済の活性化」にも寄与している。

同事業は、同社の掲げる「カロリー・リサイクル」すなわち食品リサイクルループの1つのモデルケースとなることを想定して、同社が実施するもの。牧之原市を建設地に選定したのは、食品加工業が盛んな静岡県において「バイオマスタウン構想」を推進している都市であったため。

同社は本事業の特徴として、生産と消費だけでなく資金調達面においても「地産地消」を実現していることをあげる。同社では、本事業は地方創生事業という観点からもモデルケースにもなり得るものと考えている。

地方創生・地産地消型の事業スキーム

具体的には、本事業計画の特徴として、以下4点をあげる。

  1. 原料収集から生産物の消費までを完全に「地産地消」で行っていること
  2. 補助金等を一切使わず、全額民間資金による完全なプロジェクト・ファイナンス方式で資金調達していること
  3. 資金調達は地元金融機関を主体に行うことで「ファイナンス面での地産地消」をも実現していること
  4. 工事や完成後の運営についても可能な限り地元企業に依頼し、地方経済の活性化にも寄与していること

この事業スキームは、同社の持つ、食品系産業廃棄物処理からバイオガス発電所の運営に至る一連の高い技術力と、ファイナンス分野における高度なノウハウを組み合わせることで、実現可能となったという。

同社は、年間約1,700万トンの食品廃棄物のうち、再生利用されているものはわずか400万トンにとどまっていることや、固定価格全量買取制度(FIT)におけるバイオマス発電所では、「許認可関連のハードルの高さ」・「建設資金の調達が難しさ」から食品残渣を原料とするものはほぼ皆無であることなど、「食品リサイクル」の必要性と現状の問題点を指摘。

本事業において、これらの問題点を解決し、食品残渣を利用したバイオガス発電所による「カロリー・リサイクル=食品リサイクル・ループ」の実現を目指すと意気込む。

なお、同社の掲げる「カロリー・リサイクル」では、すべての生産・消費活動をカロリーベースに置き換えて考え、新しいリサイクルのスキームを作り出すことを目指している。

また、本事業は地方創生の観点から「地域貢献型」で組成することを第一義として計画したと説明する。そのため、本発電所は、事業性や経済効果だけを追求するのではなく、例えば、単純作業への障がい者雇用や、環境教育の場として社会見学受け入れのための施設内の導線、などにも配慮した計画に仕上げられている。

「牧之原方式」として展開予定

同社が本事業で実現した「食品リサイクルと地方創生の融合」のノウハウは、今後、同様のニーズを持つ全国の産業廃棄物業者および地方自治体に対して「牧之原方式」として展開してゆく予定。

同社では既に、本案件に続き2件の建設計画が進行中であり、2015年に着工する予定。また、国内各地からの相談とともに、海外のアジアからもノウハウ提供の依頼を受けており、今後、順次対応していく計画だ。

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