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経産省の「エネルギー革新戦略」が決定 2030年には民間投資28兆円めざす

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経済産業省は、昨年7月に策定した2030年のエネルギーミックス(長期エネルギー需給見通し)で示した、徹底した省エネ再エネ最大導入などの野心的な目標の実現に向けて、関連制度の一体的整備を行うため、「エネルギー革新戦略」を4月18日に決定したと発表した。

本戦略を通じて、エネルギー投資を促し、エネルギー効率を大きく改善させ、「強い経済」と「CO2抑制」の両立をめざす。また、本戦略の実行により、2030年度には、省エネや再エネなどのエネルギー関連投資28兆円、うち水素関連1兆円の効果が期待される。

本戦略では、具体的施策については「徹底した省エネ」「再エネの拡大」「新たなエネルギーシステムの構築」の3つの柱で、また今後のエネルギーを巡る新たな取組みについて「エネルギー革新戦略による新たな展開」としてまとめている。

主なポイントは以下のとおり。

(1)徹底した省エネ

全産業へのトップランナー制度の拡大

産業トップランナー制度を流通・サービス業に導入し、今後3年で全産業の7割に拡大する。第1弾としてコンビニで制度の運用を開始する。今年度中にホテル等を対象追加とするための検討WGを立ち上げる。

中小企業・住宅・運輸における省エネルギーの強化

  • 中小企業の省エネ支援(設備投資、相談窓口)では、平成27年度補正予算、平成28年度予算で約1000億円を措置。
  • 住宅では、新築過半数ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー)化(2020年まで)/蓄電池を活用した既築ZEH化改修も検討、リフォーム市場活性化の中で省エネリフォーム倍増(2020年まで)/白熱灯を含む照明機器のトップランナー化(2016年度)、をあげる。
  • (2)再エネの拡大

    国民負担抑制と最大限導入の両立

    コスト効率的・リードタイム長い電源の導入拡大や、FIT電気買取後は原則として市場取引を行うこと等を盛り込んだ、FIT法改正を今通常国会に提出・審議する。系統制約解消に向けた地域間連系線の運用ルールの見直し、環境アセスメント手続き期間の半減に向けた規制改革の検討等も行う。

    (3)新たなエネルギーシステムの構築

    電力分野の新規参入とCO2排出抑制の両立

  • 電力業界の自主的枠組みとして電気事業低炭素社会協議会の立ち上げ(販売電力量99%をカバー)。
  • 取組みを後押しする省エネ法(発電効率向上)・高度化法(販売電力低炭素化)の告示改正。
  • 再エネ・省エネ融合型エネルギーシステムの立ち上げ

    ネガワット取引市場創設(2017年中)のルール策定等に向けて専門WG等で検討を開始すること等を盛り込んでいる。

    地産地消型エネルギーシステムの構築

    地域資源や熱の有効利用、高度なエネルギーマネジメント等の地域の先導的な取組を支援。特に、自治体主導プロジェクトを関係省庁連携で重点支援する。

    エネルギー革新戦略による新たな展開

    (1)省エネ政策のパラダイムシフト

  • 原単位主義の徹底、個社から業界・サプライチェーン単位の省エネへ
  • 省エネビジネスの新たな担い手創出(リフォーム事業者、エネルギー供給事業者等)
  • 2016年度中に、具体的な制度見直しを行う。

    (2)低炭素電源市場の創出と再エネ産業の再構築

  • 低炭素電源の低コストな形での導入促進
  • 持続的・安定的な再エネ関連事業実施の確保
  • 2016年度中を目途に、ルール整備のあり方について一定の方向性を出す。

    (3)IoTを活用したエネルギー産業の革新

  • ネガワット取引や蓄電池制御等の新技術を活用した新ビジネスの創出
  • 2030年までに米国と同水準(最大需要の6%)のネガワット(節電電力量)活用
  • 2016年度中に、蓄電池の価格低減を加速化するなど、新たな支援の仕組みを構築する。

    (4)ポスト2030年に向けた水素社会戦略の構築

  • 水素ステーション、燃料電池自動車、エネファームの更なる普及
  • 2030年頃の海外からの水素サプライチェーンの構築
  • 2016年度中に、将来の再エネ由来の水素社会に向けた課題・対応策をとりまとめる。

    (5)福島新エネ社会構想の実現(未来の新エネ社会を先取りするモデル創出拠点)

  • 2020年には(i)再エネから燃料電池自動車1万台相当の水素製造、(ii)県内のみならず、東京オリンピック・パラリンピックで活用
  • 風力発電のための重要送電線の整備(新たな事業体設立)
  • スマートコミュニティ構築の全県展開
  • 2016年夏頃までに、構想をとりまとめ、直ちに実行する。

    背景・目的

    昨年7月に策定したエネルギーミックスでは、(1)徹底した省エネ(=石油危機後並みの35%効率改善)、(2)再エネ最大導入(=現状から倍増)等、野心的な目標を設定した。これを実現するためには、市場任せではなく、総合的な政策措置が不可欠である。

    同省では、昨年秋の官民対話での「エネルギー・環境制約を新たな投資につなげる」との総理指示を踏まえて、本戦略の策定を進めてきた。

    【参考】
    経済産業省 - エネルギー革新戦略を決定しました

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