> > NEDOや京大・トヨタなど30機関、新型蓄電池を開発へ 2030年には実用化

NEDOや京大・トヨタなど30機関、新型蓄電池を開発へ 2030年には実用化

記事を保存
NEDOや京大・トヨタなど30機関、新型蓄電池を開発へ 2030年には実用化

NEDOは18日、2030年の電気自動車(EV)への車載化を目指し、リチウムイオン電池(LIB)の性能を超える革新型蓄電池の実用化を促進する共通基盤技術を産学の連携・協調により開発すると発表した。

このプロジェクトでは、大学・研究機関、企業の連携(集中研方式)により、エネルギー密度や耐久性、安全性などの車載用蓄電池に必要な性能を高いレベルで両立させる研究開発を、容量5Ah級の蓄電池を試作して実施する。2030年にガソリン車並みの走行性能を有する普及価格帯のEVなどへの車載化を目指す。

事業名は「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(RISINGII)」。事業総額は150~180億円(予定)。期間は2016年度~2020年度。本事業に係る公募を実施し、京都大学を代表提案機関とする共同提案者を委託予定先を決定した。共同提案者には、トヨタ、パナソニック、理化学研究所、早稲田大学など30機関が名を連ねる。

2020年までに基本仕様を固める

実用化の目標時期である2030年までのリードタイムを踏まえると、2020年代前半までに革新型蓄電池の有望な電池タイプ・構成材料を絞り込んでセルの基本仕様を固め、電池モジュール・システムの開発フェーズに移る必要がある。そのため、本事業終了後に企業における実用化開発が可能となるところまで研究フェーズを移行させる計画だ。

開発の背景・概要

日本のエネルギー・環境制約への対応と自動車産業の競争力の維持・強化のためには、燃料多様化や省エネルギー、CO2排出量の削減に繋がる電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド(PHEV)をガソリン車と同等の利便性を持つ製品に高める必要がある。

その実現の鍵を握るキーテクノロジーが車載用蓄電池である。LIBの性能限界を超える新しいタイプの高性能で低コストの革新型蓄電池をより早期に開発し、それを搭載したEVやPHEVを世界に先駆けて市場に投入していくことが期待されている。

このような背景のもと、NEDOは「革新型蓄電池先端科学基礎研究事業(RISING)」(2009年度~2015年度)において、2030年にガソリン車並みの走行性能を有するEV等に搭載されるオリジナリティの高い革新型蓄電池の基礎研究に取り組んできた。その結果、3タイプの革新型蓄電池(亜鉛空気、ナノ界面、硫化物)で、エネルギー密度300Wh/kgを検証し、500Wh/kgの見通しを得た。

今般、RISINGで得られた成果を2030年の実用化に向けてさらに発展させるため、「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(RISINGII)」(2016年度~2020年度)において、手戻りなく最短で開発することが可能な世界最高・最先端の解析技術を開発・活用しながら、エネルギー密度のみならず、耐久性や安全性等の車載用蓄電池として必要とされる性能を両立させる革新型蓄電池の共通基盤技術の開発に取り組む。

具体的には、研究開発項目「(1)高度解析技術開発」「(2)革新型蓄電池開発」に取り組む。「(1)高度解析技術開発」においては、SPring-8の放射光X線回折、J-PARCの中性子回折等の複数の解析技術を相補的に組み合わせて電池内部の様々な現象をより高速で微細に把握し、課題抽出とその解決を図ることにより、高性能化や高耐久化を実現する新規の解析技術を開発する。「(2)革新型蓄電池開発」においては、RISINGで300Wh/kgが検証できた3タイプの電池(亜鉛空気、ナノ界面、硫化物)を対象として、「(1)高度解析技術開発」で開発する技術を用いて課題解決を図りながら、エネルギー密度のみならず、耐久性、安全性等についても車載化に課題がないことを、実セル(容量5Ah級)(一対の正極、負極、セパレータ、電解質(電解液)で構成され、充放電が可能な単電池の状態)を試作して検証する。

いずれの研究開発項目においても、その目標達成に向けた難易度が極めて高いことから、先端的な材料科学や高度な解析技術を有する大学・公的研究機関と車載用蓄電池の開発・実用化で豊富な実績を有する蓄電池メーカー、エンドユーザーとなる自動車メーカー等の連携体制により、学のサイエンスと産のエンジニアリングの知見を融合させることで、技術的なブレークスルーの創出を目指す。

【参考】
NEDO - 革新型蓄電池の実用化に向けた共通基盤技術の開発に着手 NEDO - 「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発」に係る実施体制の決定について

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.