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シャープ、化合物3接合型の太陽電池モジュール(31cm角)で変換効率31.17%に

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シャープ、化合物3接合型の太陽電池モジュール(31cm角)で変換効率31.17%に

世界最高変換効率31.17%を達成した化合物3接合型太陽電池モジュール
(モジュールサイズ 約31cm×約31cm)

NEDOのプロジェクトの一環で、シャープは、研究レベルにおける太陽電池モジュールにおいて、世界最高の変換効率31.17%を化合物3接合型太陽電池で達成した。NEDOとシャープは19日、それぞれリリースを発表した。

今回の成果は、これまでの世界記録24.1%(2012年、Alta Devices)をはるかに超えるものである。試作されたモジュールは約31cm角(面積968平方cm)で、実用化に向けて十分な大きさを実現した。さらに軽量かつフレキシブルという特徴を兼ね備えており、発電コスト低減だけでなく、高効率化と軽量化が求められる自動車等への展開も期待される。

太陽光発電を従来型火力発電並みの7円/kWhに

太陽電池の変換効率向上は、発電コストの低減に大きく寄与するため、世界中の企業、研究機関が研究開発に取り組んでいる。NEDOは、2030年までに太陽光発電の発電コストを従来型火力発電並みの7円/kWhにする目標を掲げている。

この目標を達成するため、高い変換効率を維持しながら低コスト化を実現するためのプロジェクト(事業期間2015年度~2019年度)を進めており、そのうちの「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」プロジェクトの一環として本成果を得た。31.17%の変換効率は、太陽電池の公的測定機関である国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST)により確認された。

NEDOは、発電コスト7円/kWh達成と併せ、自動車搭載等の高付加価値技術の開発も進めていくとしている。

3つの光吸収層を積み上げて効率変換

シャープの化合物3接合型太陽電池セルは、「インジウムガリウムリン(InGaP)」、「ガリウムヒ素(GaAs)」に「インジウムガリウムヒ素(InGaAs)」のボトム層を加えた3つの光吸収層から成り、効率的に太陽光を電気に変換できる独自の構造を採用している。

この構造のセルでは、2013年4月に小サイズ(面積1.047平方cm)で、世界最高(当時)の変換効率37.9%を達成している。そして、実用可能なサイズ(面積27.86平方cm)での太陽電池セルを用いて、セルの集合体であるモジュール(面積968平方cm)を作製し、世界最高変換効率31.17%を達成した。

今回のセルサイズの大型化は、「製造条件最適化による基板面内の均一性の向上」と、それに伴う「太陽電池製造基板サイズの大径化」および「基板サイズの大径化に適したセル製造プロセスの開発」により実現した。

一般的に、化合物系の太陽電池セルは、インジウムやガリウムなど、複数の元素から成る化合物を材料とした光吸収層で構成される。光の吸収特性が異なる複数の材料を組み合わせることで、太陽光の波長をより幅広くとらえられるため、高い変換効率を実現できる。

現在、化合物太陽電池は主に人工衛星などに採用されている。シャープは、今回の開発成果をもとに、今後、さらなる高効率化と低コスト化を追求し、軽量化が求められる各種移動体の電源など、地上での用途開拓に取り組んでいく考えだ。

【参考】
NEDO - NEDO、太陽電池モジュールで世界最高変換効率31.17%を達成

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