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「超小型マイクロ水力発電」を上水道管の中に ダイキンが研究開始

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ダイキン工業(大阪府大阪市)は、26日、神戸市水道局と共同で、超小型のマイクロ水力発電システムの研究開発を開始すると発表した。

今回開発する発電システムは、上水道の管水路の水流エネルギーを利用して発電する10kW以下の超小型システム。同社はこの共同研究を行うにあたり、既に自社で開発済みの22kWクラスのマイクロ水力発電システムを神戸市水道局福谷(ふくたに)中層配水池に設置し、新たに開発した遠隔制御機能や長期的な性能、メンテナンスなどにかかる運用コストを評価する予定だ。同システムの年間発電量は211MWhで、これは一般家庭約65軒分の年間電力消費量に相当する。

今回共同で開発を行う神戸市水道局では、上水道施設に設置されている数多くの圧力調整用のバルブに代わり、同発電システムを設置運用するために、上水道施設の運用状況の調査および試作機の実証実験を行う。なお、神戸市の高低差のある地形は、マイクロ水力発電システムの設置に適していることも、今回の共同研究が行われる要因となった。

超小型のマイクロ水力発電システムの可能性

一般的に、上水道施設では街全体に適切な水圧で水を供給するため、数多くの圧力調整用のバルブが設置されている。同社は今後、自治体との協力により、上水道施設に設置されている圧力調整用バルブから超小型のマイクロ水力発電システムへの置き換えを推進したい考えだ。上水道の水圧調整と同時に、未利用だった水流エネルギーで発電を行うことで、CO2排出量が大幅に削減される可能性がある。また、同発電システムは、生産過程で水を多く使用する鉄や紙、化学品、薬品、飲料品などの工場への導入も想定される。設置場所の水力に応じて、発電電力22kWクラスおよび75kWクラスの発電システムを組み合わせて導入することも可能だ。

同社がこれまでに開発した管水路用マイクロ水力発電システムの特長は下記のとおり。

狭小箇所にも設置可能な小型軽量設計

発電機とコントローラーを一体化し、配管に接続した縦型水車の上に配置することにより、設置面積は従来の横型タイプの半分以下。また、小型・軽量化により、従来、水力発電システムを設置することができなかった既存水道施設の狭小箇所にも設置が可能となり、工事費用も抑えることができる。

空調・油圧機器事業で培った技術を応用した発電能力・制御機能

水車に、空調事業で培ったファンの流体解析技術を応用し、発電機とコントローラーには空調事業と油圧機器事業で培ったモーター技術やインバーター技術を応用し、効率よく水流エネルギーを電気エネルギーに変換する。また、水車の流量制御機能によって、落差が変動しても安定した運転ができ、さらに遠隔操作機能によって、きめ細かな送水量の調整が可能。

既存量産部品の活用、部品の削減、メンテナンス性の向上で低コスト実現

これまでは、安定的な発電が可能な小水力発電のなかでも、特に小さな水力を利用して発電する100kW以下のマイクロ水力発電は、発電規模に対して導入コストが高く、機器のサイズも大きいため、設置可能な場所が限定されるという課題があった。

しかし今回、水車の母体に汎用ポンプを使用するなど量産部品の活用、コントローラーと発電機の一体小型化、部品点数を減らすことにより、コストを大幅に削減。また、発電機や水車を分解することなく磨耗部品が交換できるなど、メンテナンス性を高めた。

さらに、空調の電力見える化や遠隔操作・監視の技術を活かし、インターネットを介して発電システムの維持管理を支援することで、メンテナンスコストも大幅に削減できる。


なお、この研究開発は、環境省の「平成28年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に採択され実施されるもの。

同社は、2013年度から2015年度までにも同事業の一環で、小型で低コストの管水路用マイクロ水力発電システムの開発と実証を行なっており、縦型マイクロ水力発電システムの開発に成功している。これらのシステムは、富山県南砺市・福島県相馬市での実証実験を経て、実用化されている。

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