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廃棄物最終処分場から放流されるトリクロロエチレン、排水基準など強化

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トリクロロエチレンについて、廃棄物最終処分場からの放流水の排水基準、特別管理産業廃棄物の判定基準等の見直しを行う、廃棄物処理法の改正省令が20日に公布された。一部を除き、2016年9月15日から施行される。

これにより、トリクロロエチレンに関するものについて、管理型廃棄物最終処分場から排出される放流水の排水基準は0.1mg/L以下(現行0.3mg/L以下)に、廃棄物最終処分場周縁の地下水基準(全処分場共通)および安定型最終処分場の浸透水の基準は0.01mg/L以下(現行0.03mg/L以下)に改正される。

その他、トリクロロエチレンについて特別管理産業廃棄物に該当するものとして環境省令で定める基準や、最終処分場に埋立処分する際に産業廃棄物および特別管理産業廃棄物に含まれるトリクロロエチレンの基準等の改正が盛り込まれている。

トリクロロエチレンは、従来、衣料のドライクリーニング用および金属機械部品の脱脂洗浄剤等の溶剤として使用されてきた。現在では主に代替フロンガスの合成原料および機械部品・電子部品の脱脂洗浄剤として使用されている。

改正の内容

1.廃棄物処理法施行規則(以下「規則」)等の一部改正

(1)トリクロロエチレンについて特別管理産業廃棄物に該当するものとして環境省令で定める基準を、以下の表に適合しないことに変更する。

廃棄物の種類 基準
指定下水汚泥関係
(規則第1条の2第5項関係)
指定下水汚泥又は指定下水汚泥を処分するために処理したもの(廃酸又は廃アルカリ以外) 0.1mg/L以下
(現行0.3mg/L)
指定下水汚泥を処分するために処理したもの(廃酸又は廃アルカリ) 1mg/L以下
(現行3mg/L)
廃油関係
(規則第1条の2第10項関係)
廃油を処分するために処理したもの(廃油、廃酸又は廃アルカリ以外) 0.1mg/L以下
(現行0.3mg/L)
廃油を処分するために処理したもの(廃酸又は廃アルカリ) 1mg/L以下
(現行3mg/L)
汚泥、廃酸又は廃アルカリ関係
(規則第1条の2第11項関係)
汚泥若しくは汚泥、廃酸又は廃アルカリを処分するために処理したもの(廃酸又は廃アルカリ以外) 0.1mg/L以下
(現行0.3mg/L)
廃酸又は廃アルカリ若しくは汚泥、廃酸又は廃アルカリを処分するために処理したもの(廃酸又は廃アルカリ) 1mg/L以下
(現行3mg/L)

2.金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令(以下「判定基準省令」)の一部改正

(1)産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物を最終処分場に埋立処分する際に当該産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物に含まれるトリクロロエチレンの基準を、以下の表のとおり変更する。

廃棄物の種類 基準
汚泥又は指定下水汚泥若しくはこれらの産業廃棄物を処分するために処理したもの
(判定基準省令第1条第8項、第3条第12項関係)
0.1mg/L以下
(現行0.3mg/L以下)

(2)産業廃棄物を海洋投入処分する際に当該廃棄物に含まれるトリクロロエチレンの量の基準を、以下の表のとおり変更する。

廃棄物の種類 基準
有機性汚泥又は動植物性残さ(令第6条第1項第4号イに掲げるものに限る。)
(判定基準省令第2条第1項、第4項関係)
0.1mg/kg以下
(現行0.3mg/kg以下)
廃酸、廃アルカリ又は家畜ふん尿(令第6条第1項第4号イに掲げるものに限る。)
(判定基準省令第2条第3項、第5項)
0.1mg/L以下
(現行0.3mg/L以下)
無機性汚泥(令第6条第1項第4号イに掲げるものに限る。)
(判定基準省令第2条第1項、第2項関係)
0.01mg/L以下
(現行0.03mg/L以下)

3.一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(以下「最終処分基準省令」)等の一部改正

(1)廃棄物最終処分場から排出される放流水の排水基準、廃棄物最終処分場周縁の地下水基準、安定型最終処分場の浸透水の基準について、トリクロロエチレンに関するものを、以下の表のとおり変更する。

また、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(施行規則第26条第1項第3号及び第2項第4号に定められた埋立地からの放流水の排水基準及び最終処分場周縁の地下水の基準について も同等の措置を講ずる)。

放流水基準(管理型) 地下水基準(全処分場共通)
浸透水基準(安定型)
基準 0.1mg/L以下
(現行0.3mg/L以下)
0.01mg/L以下
(現行0.03mg/L以下)

(2)地下水の水質汚濁に係る環境基準についての一部を改正する件が2016年3月29日に公布され、地下水の水質汚濁に係る環境基準項目のうち「塩化ビニルモノマー」については、「クロロエチレン(別名塩化ビニル又は塩化ビニルモノマー)」と名称変更され2017年4月1日から施行されることから、上記最終処分場周縁の地下水の基準項目についても同様に改正を行う。

廃棄物の最終処分場の技術上の基準に関する経過措置

一般廃棄物最終処分場および産業廃棄物管理型最終処分場の廃止時には、保有水等の水質検査を2年以上にわたり行うことが必要だが、本改正の施行前に行われた水質検査の結果については、改正前の最終処分基準省令の排水基準等に適合しているか判断する経過措置を設ける。

施行期日

1、2と、3の(1)の施行期日は2016年9月15日。3の(2)の施行期日は2017年4月1日。

【参考】
環境省 - 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則等の一部を改正する省令の公布について

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