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暗号処理技術も省エネが必要! 東北大・NECなど、IoT機器向けに新技術を開発

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暗号処理技術も省エネが必要! 東北大・NECなど、IoT機器向けに新技術を開発

東北大学、NEC、中央研究所は22日、IoT(Internet of Things)機器向けに、インターネット上でやりとりされる情報を守るために利用されているAES暗号を、高速かつ省電力で処理する技術を開発したと発表した。

今回確立した設計技術では、AES暗号アルゴリズムがガロア体と呼ばれる特殊な数体系に基づく計算として表現されることに着目。その数体系に基づく演算を圧縮する新手法を発見し、消費エネルギーをこれまでより50%以上削減した世界最高効率のAES暗号処理回路の開発に成功した。

この成果により、エネルギーの制約が大きい情報通信機器への暗号技術の搭載が促進され、モノのインターネット(IoT)と呼ばれる次世代ネットワークの安全性を大きく高めることが期待される。

今後、今回開発した暗号処理技術を実際のシステムに搭載して実証実験を行うとともに他の暗号アルゴリズムへの応用を進める予定。また、実用化に向けて、多様な攻撃に対する耐性を考慮した構成を検討する。将来的には、この暗号処理技術を通して、さまざまなIoT向け情報通信機器の安全性向上への貢献を目指す。

暗号処理の省エネ化が課題に

現在、個人情報や金融情報といった大切な情報が情報通信機器を通してインターネット上でやりとりされることが一般的となっているが、そのような情報を守るため機器内部では暗号技術が利用されている。

近年注目を集めているモノのインターネット(IoT:Internet of Things)などの次世代ネットワークでは、無数の機器がネットワークに接続されることが予想されるため、悪意ある攻撃を防ぐためそれらの接続機器にも暗号技術を搭載することが求められている。しかし、IoTの機器の中には、電池やバッテリーで駆動するエネルギー制約の大きい機器も多数含まれており、それらに消費エネルギーの大きい暗号処理をいかに実行させるかが課題となっていた。

特に、国際標準暗号方式の一つであるAES(Advanced Encryption Standard)は、世界で最も広く使われている暗号の一つであり、無線LANなどでも使用されることから、AES暗号処理を省エネルギーに設計することは実用上極めて重要とされていた。

数表現変換により計算を融合・簡素化

AES暗号アルゴリズムはガロア体と呼ばれる特殊な数体系に基づく計算として表現される。研究グループは、入力の数表現を一旦別の数表現に変換することにより、その後の複数の演算を一度に計算でき、かつ、使用する回路素子を大幅に削減できることを見出した。また、その後逆変換を行うことで、本来の出力を容易に得られることを確認した。

そこで、演算の前後に数表現変換と逆変換を挿入し、内部では変換した数表現を用いる演算方式を考案した。さらに、新方式に基づくAES暗号処理回路を設計・開発し、従来の世界最高の回路と比較して、半分以下(45%程度)のエネルギーで1回の暗号処理を行えることを確認した。開発したAES暗号処理回路は、暗号化と復号の両方が実行可能であり、SSLやTLSといった世界標準の通信方式に最も適した構成となっている。

数表現変換による新しい暗号演算圧縮技術

数表現変換による新しい暗号演算圧縮技術

開発の経緯

東北大学とNECは、情報通信機器の安全性向上を目的として、2013年から共同で研究開発に取り組んできた。特に、IoTに代表される次世代ネットワークにおける新たなサービスを安心して享受できるシステムの構築を目指し、これまで暗号機能が搭載されていなかった小型機器・センサにも暗号処理を搭載するための技術開発を行ってきた。なお、今回の研究開発は、科学研究費補助金の一環として行われた。

【参考】
東北大学 - AES暗号処理にかかる消費エネルギーを半分以下に-IoT機器向け高速・省電力暗号処理技術の開発に成功

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