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「ネガワット取引に関するガイドライン」が改定 取引の基本ルール追加

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「ネガワット取引に関するガイドライン」が改定 取引の基本ルール追加

経済産業省は、需要家が節電した電力量を電力会社が買い取る、ネガワット取引市場の創設に向けて、「ネガワット取引に関するガイドライン」を改定した。今回の改定では、多数の需要家による節電電力量を束ねて、その取引を行う「ネガワット事業者」と、電力会社との間の取引における基本的なルールをガイドラインに追加する等の変更を行った。

ネガワット取引市場の創設は2017年中に予定されている。今回改定した「ネガワット取引」に関するガイドライン(2015年3月策定)は、ネガワット取引の普及に向け、ネガワットの量の評価方法など、取引の実務において重要となる事項について指針を示したものである。

ネガワットで得られる利益の分配、ペナルティなど規定

ネガワット取引は、電力会社の要請に応じて企業等が節電した電気使用量を、電力会社が買い取るものである。ネガワット取引で取引される需要削減量は、電力供給状況に応じて消費パターンを変化させること、いわゆるデマンドレスポンス(DR)の要請がなかった場合に想定される電力消費量(ベースライン)と、実際の電力消費量との差分として算出される。

ガイドラインにおける策定範囲はまだ一部分のみ

ガイドラインにおける策定範囲はまだ一部分のみ

このガイドラインでは、具体的には「ベースラインの設定」「需要削減量の測定方法」をはじめ、「需要家やアグリゲーターへの報酬」、「需要家やアグリゲーターへのペナルティ」、「小売電気事業者への報酬」等について規定している。

今回の主な改定ポイント

ネガワット取引の類型の説明

ネガワット取引には、小売電気事業者が同時同量達成のために需要削減量を調達するもの(類型1)と、系統運用者が需給調整のために需要削減量を調達するもの(類型2)の大きく2つが存在する。前者は更に、小売電気事業者が当該小売電気事業者の需要家によって生み出された需要削減量を調達するもの(類型1(1))と、小売電気事業者が他の小売電気事業者の需要家によって生み出された需要削減量を調達するもの(類型1(2))に分類される。改定版では、ネガワット取引の類型のイメージ図と、各類型におけるガイドラインの適用範囲について説明を追加した。

ベースラインの設定方法

ベースラインのイメージ

ベースラインのイメージ

市場でのネガワット取引を想定して、ネガワットの量の評価の基準となるベースラインの設定方法を変更した。

ベースラインの設定方法フロー ベースラインの設定方法フロー

ベースラインの設定方法フロー

ベースラインの設定方法では、「反応時間・持続時間が比較的短いDRのベースライン」と「反応時間・持続時間が比較的長いDRのベースライン」について、設定の方針や標準ベースラインの設定方法等についてまとめている。また、「反応時間・持続時間が比較的長いDRのベースライン」の場合は、類型ごとのベースラインテスト実施方法や、代替ベースラインが認められる場合などを示している。

なお、ベースラインの基本的な考え方では、需要家をグループ化したベースラインについて明記。ベースラインの設定は、基本的に需要家単位で行うが、複数の需要家をグループ化して行うことも妨げない。ただし、類型1(2)においては、グループ化の対象は、同一の小売電気事業者と小売契約をしている需要家とした。

ネガワット調整金

供給力調達のための費用を負担する小売事業者と、ネガワット取引に基づいてその供給力の一部を譲り受けるネガワット事業者との間での利益調整を行うため、ネガワット調整金についての規定を追加した。このネガワット調整金については契約において規定する必要があるとしている。

本ガイドライン改定の経緯

経済産業省では、ネガワット取引市場の創設に向けて、2016年4月に有識者および事業者から成る「ネガワットWG」を設置し、ガイドラインの改定案を検討した。2016年5月に開始したパブリックコメントを経て今回の改定に至った。

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