> > 地下水をくみ上げない、新型の地熱発電システム 大分県で発電実証に成功 

地下水をくみ上げない、新型の地熱発電システム 大分県で発電実証に成功 

記事を保存
地下水をくみ上げない、新型の地熱発電システム 大分県で発電実証に成功 

ジャパン・ニュー・エナジー水分発電所(大分県玖珠郡九重町)

ジャパン・ニュー・エナジー(東京都千代田区)は、京都大学と共同研究によって開発した世界初の技術、温泉水ではなく地中熱のみを利用して発電を行う「クローズドサイクルシステム」による新地熱発電システムの発電実証に成功したと発表した。

15日、大分県九重町で、この「JNEC(ジェイネック)方式新地熱発電システム」による地熱発電所の発電記念式典を開催した。

同社は、このシステムについて、従来の地熱発電が抱える様々な障壁の根本的解決方法として、「温泉水を使用せず地中熱を吸収し発電する」という発想から生まれた新技術だと説明する。このシステムは、スケールの問題や、還元井の設置といった従来の地熱発電が抱える問題を解決するという。

クローズドサイクル地熱発電は、地中深くまで水を循環させる密封された管を埋め込み、地下水(蒸気)は汲み上げず地中熱のみを利用して管内の水を熱し、その蒸気でタービンを回して発電を行う方式だ。具体的には、システムの中心的役割を担う、地下1,450メートルまで埋設した「二重管型熱交換器」内で、地上より加圧注入した水を地中熱によって温め、液体のまま高温状態で抽出する。液体を地上で減圧、一気に蒸気化しタービンを回して発電を行う。

地熱イメージ

このシステムでは、発電時にCO2排出がなく、24時間安定発電が可能という従来の地熱発電の特長に、開発リードタイムの大幅な短縮やランニングコストの軽減、温泉法の適用除外といった事業を展開する上で有効な要素が加わることになる。

ジャパン・ニュー・エナジーは地熱発電の開発を行うベンチャー。同社は、世界有数の地熱資源国でありながら実績の乏しかった日本の地熱発電事業に、「JNEC方式新地熱発電システム」により一石を投じたいと意気込む。

世界初のクローズドサイクル方式を用いたJNEC式地熱発電システムの実用化実証プラントは9月30日に完成した。この発電所では、同社の根幹をなすプラントとして更なる性能向上へ向けた研究開発を行い、大規模化を図っていく。2025年を目処に、3万kWの発電容量を備えた発電所の建設を進めていく計画だ。

なお、「スケール」とは温泉水の不溶性成分が析出・沈殿し固形化したもの。地熱発電では揚水管・還元井の内部及び発電設備に付着し、半永久的なメンテナンス及び取り替えが必要となる。「還元井」とは、地下の蒸気や熱水が枯渇しないために、発電に使用した熱水を地下に戻すための井戸のこと。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.