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今までほとんど焼却されていた紙オムツ、リサイクルの実証試験スタート

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今までほとんど焼却されていた紙オムツ、リサイクルの実証試験スタート

ユニ・チャーム(東京都港区)は11月1日、地球環境保全と経済的成長を両立する事業活動の一環として、使用済み紙おむつからパルプを再生する再資源化技術を活用した実証試験を開始する協定を、鹿児島県志布志市、そおリサイクルセンター(鹿児島県大崎町)と締結した。今後、志布志市との共同により、使用済み紙おむつの最適な収集方法とそのリサイクル技術の構築に向けた実証試験を開始する。

大人用と子供用の紙おむつの生産量は、2015年で218億枚、重さ81万トンにのぼる。ほとんどの紙おむつは使用後に焼却処理されているのが現状だが、再利用には排泄物に含まれる菌がリサイクルした製品に含まれる恐れがあった。しかし2015年にユニ・チャームが開発したオゾン処理方法(使用済み紙おむつのパルプを木から取り出した新しいパルプと同等の品質にする方法)を用いれば、温室効果ガス削減効果と、資材の安全性が確保されることが分かっている。

温室効果ガス削減効果としては、「使用済み紙おむつのリサイクルによるパルプ再利用の環境影響評価」を東京都市大学の伊坪教授と共同で実施した結果、リサイクル処理は焼却処理と比較し、温室効果ガス排出量が約3割、使用済み紙おむつの1トンあたりの処理に必要な水消費量は約6トン、土地利用は年間約180m2が節約できるという結果が得られ、環境に対して有効な手段であることが明確となっている。

リサイクル率トップの志布志市、さらなる高みへ

志布志市は10万人以下の人口規模の市で、焼却ではなく埋め立て処分を実施している。同市では現在27品目の分別収集・リサイクルを実施しており、ここ数年は一般廃棄物のリサイクル率が市単位では国内1位だが、リサイクル率は76%で高止まりしている。さらに埋め立てごみに占めるおむつの割合は20%に上っており、同市は環境に優しい紙おむつの再資源化の実現に期待を寄せている。

「そおリサイクルセンター」は、志布志市、大崎町及び曽於市の再資源化の中核となり、分別収集及び中間処理・保管を行っており、使用済み紙おむつの再資源化に向けて10年前から収集・処理について検討している。

志布志市では、使用済み紙おむつについても市民による分別と排出の協力を要請する主旨説明を行い、2016年11月からモデル収集を実施。今後、ユニ・チャームが開発した使用済み紙おむつの再資源化へのリサイクル技術を「そおリサイクルセンター」へ供与し、具体的な実証試験を行う。リサイクル処理自体についても、既存技術の改良を含め、よりリサイクルしやすい処理技術の開発についても共同研究を開始する。

ユニ・チャームは志布志市が主体となっている18の団体・個人から構成された「使用済み紙オムツ再資源化推進協議会」に2016年5月より参画した。ユニ・チャームは今後、これら分別収集の仕組みとリサイクル技術に関する基本情報を蓄積し、リサイクル品の品質・技術の精度を高め、規模を拡大した事業化に向けた可能性判断を2017年3月までに実施、2020年の本格事業化を目指す。また並行して、志布志市、「そおリサイクルセンター」と地域特性を考慮したリサイクル品の活用や販売方法・販売先についても検討していくとしている。また、ユニ・チャームは12月8~10日に開催される日本最大級の環境展示会「エコプロ2016~環境とエネルギーの未来展」に出展しし、独自の紙おむつのリサイクルシステムと志布志市との実証試験の内容について紹介する予定。

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