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政府の有識者会議「東電の改革はこうすべき」 送配電事業の再編・統合など

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政府の有識者会議「東電の改革はこうすべき」 送配電事業の再編・統合など

廃炉に向けた行程

経済産業省の有識者会議「東京電力改革・1F問題委員会」は20日、東京電力が福島第一原子力発電所の事故収束と福島復興への責任を果たすために、行うべき経営改革について提言を取りまとめた。

福島第一原電の事故に伴う費用が増大しており、今後、東京電力は、賠償・廃炉に係る資金確保や経営改革、収益拡大に注力していく必要がある。そこで、送配電事業・原子力事業については、他の電力会社との共同事業体を早期に設立し、再編・統合を目指すべきだとした。各事業の性格に応じて時間軸を設定し、再編・統合を目指すこととしている。

円滑な資金調達などが求められる場合には、例えば関係金融機関が資金調達面で協力するなど、東京電力の各種のステークホルダーが何らかの形で支援に参画することも求めた。

東京電力は、燃料・火力事業では、先行して中部電力と共同事業体であるJERAを設立、また電力小売事業ではソフトバンクと業務提携している。JERAについて完全統合は必要不可欠で、これが実現すれば海外市場での事業展開も十分可能なグローバル・プレーヤーになる可能性があると指摘する。送配電事業も原子力事業も、再編・統合を目指すことにより事業規模を拡大すれば、海外市場への展開が可能で、福島への責任を安定的、長期的に果たすことができるとしている。

東京電力の事業の担い手として、若手の採用や外部人材の招請を通じて、その刺激の中で、全く新しい東電文化を生む必要性についても言及した。

福島復興や事故収束に関する福島事業を長い目で展望した上での必要な資金規模については以下の通りまとめている。

廃炉・賠償等の資金総額は約22兆円

廃炉、賠償、除染・中間貯蔵等の福島原発事故に関連して確保すべき資金の総額は、約22兆円と見込まれる。このうち、東京電力が捻出する資金は約16兆円と試算される。東京電力は、数十年単位で対処する賠償・廃炉については、その所要資金として年間0.5兆円規模の資金を確保し、除染に関しては、より長い時間軸の中で、企業価値向上による株式売却益4兆円相当を実現する経営改革を実現することが必須となる。

不足する賠償費用は託送料金を活用して回収

賠償に要する資金について、福島原発事故の前には確保されていなかった備え不足についてのみ、託送制度を活用して広く新電力の需要家も含めて負担を求めることとしている。

国は、この託送制度を活用して回収する金額について、その上限を閣議決定で定め(2.4兆円。新電力のシェア10%を前提とすれば新電力負担の上限は総額で2400億円、年間で60億円、標準家庭で月額18円)、消費者への電気料金明細票等でこの額を明示し、第三者的チェックを受け、決定するとしている。

また、送配電部門の合理化などにより総じて託送料金の値上げを回避し、加えて、大手電力会社から新電力への安価な電力を提供する仕組み(ベースロード電源市場)を整備し、新電力の競争力強化を支援するとしている。これにより新電力の販売電力量の3割について調達コストがkWh当たり1円下がった場合、年間250億円程度削減のコスト削減効果があると試算している。

東京電力改革・1F問題委員会について

東日本大震災に伴う、福島第一原電(1F)の事故から6年が経過しようとしているが、事故の収束はまだ道半ばである。一方、2016年4月の電力小売りの全面自由化が始まる中で、東京電力は電力市場の構造的な変化に直面しており、現状のままでは福島復興や事故収束への歩みが滞りかねない状況にある。そこで、経済産業省は、本委員会を設置し、本年10月より東京電力が行うべき経営改革について検討してきた。

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