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電力自由化しても「電気の質」問題ナシ 周波数・電圧・停電実績の報告書公開

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電力広域的運営推進機関は12月28日、2016年度版の「電気の質に関する報告書」を公表した。

この報告書は、「電気の質」として、周波数・電圧・停電についての実績を取りまとめ、その評価を行ったもの。2015年度までの過去数年間の供給エリア別のデータを用いて、周波数や電圧が定められた目標範囲に収まっているか、停電実績が悪化していないか等について実績を取りまとめ評価・分析されている。

また、停電実績については、データの条件は異なるが、参考として欧州や米国の代表地域と実績の比較が掲載されている。

周波数、電圧は問題ナシ

供給する電気の周波数について、電気事業法により定められたエリア別の標準周波数(50Hzエリア・60Hzエリア)と、各一般送配電事業者が設定する平常時の調整目標と、周波数維持の指標となる周波数時間滞在率は下記の通り。

北海道東北・東京中西
(中部・北陸・関西・中国・四国・九州)
沖縄
標準周波数 50Hz 50Hz 60Hz 60Hz
調整目標範囲
(標準周波数比)
±0.3Hz ±0.2Hz ±0.2Hz ±0.3Hz
±0.1Hz以内
滞在率目標
- - 95%以上 -

今回の報告書では、エリア別の周波数時間滞在率の推移から、2015年度は「周波数は、各エリアの標準周波数と調整目標に応じて、適切に維持されていたと評価できる」と分析している。その根拠は下記のとおり。

  • すべてのエリアにおいて、調整目標範囲の滞在率は100%だった。
  • 0.1Hz以内の滞在率目標を95%としている中部エリア以西(中部・北陸・関西・中国・四国・九州)についても、この目標値を上回っていた。

また、電気事業法で定められた維持すべき電圧(100V・200V)について、実測電圧がこれを逸脱した比率の実績を見た場合、2015年度エリア別の電圧実績より、すべてのエリアにおいて逸脱した実績はなかった。つまり、電圧は各エリアの標準電圧に応じて、適切に維持されていたと評価できる。

電力自由化しても供給信頼性は問題なし

北海道・中国・九州エリアは台風で支障アリ

停電の状況に関する指標としては、「供給支障」が設備種別でどの程度発生したかを示す、事故発生箇所別供給支障件数を用いる。

なお「供給支障」とは、電気工作物の破損事故や誤操作等により、電気の供給が停止したり、電気の使用が緊急に制限されることを示す。ただし、自動的に再閉路され電気が再び供給された場合は、「供給支障」に含まれない。

報告書によると、2015年度の供給支障件数のうち、東北・東京・北陸・関西エリアは過去6年のうち最少の供給支障件数であった。一方、北海道・中国・九州エリアは、過去6年のうち最多の供給支障件数となった。北海道エリアにおいては、10月の台風23号の影響とみられている。また、九州エリアは8月の台風15号の影響、 中国エリアは台風15号と 1月の暴風雪の影響とみられる。

規模・停電時間別の集計も

同報告書では、一定規模以上の供給支障を「7千kW以上7万kW未満の供給支障が1時間以上」、「7万kW以上10万kW未満の供給支障が10分以上」、「10万kW以上の供給支障が10分以上」の規模・時間別に3分類に定義し集計している。

2015年度は全国で自然現象に起因する一定規模以上の供給支障がなく、合計件数は過去6年間で最少だった。また、同年の自然現象以外の原因による件数は5件で、近年の実績が年間5~10件程度であることから、自然現象以外の設備不備等の構造的な要因による件数の増加は見られなかった。他の年度についても同様に主な原因について取りまとめられている。

1需要家あたりの停電回数・停電時間も問題なし

2015年度は全国でみると、1需要家あたりの停電回数は過去6年で最少、1需要家あたりの停電時間は前年度同様の水準。

また、九州エリアでは前年度と比較して停電回数、時間が増加しており、沖縄エリアでは前年度からの実績の振れ幅が大きい。両エリアでは事故停電による1需要家あたりの年間停電時間の実績が多い傾向にあり、これは台風などの厳気象による影響とみられる。

また、参考として欧米諸国との需要家停電実績(2010~2015年) の比較を行ったところ、 電圧の観測範囲、年間データの集計開始月(1月または4月)、自然災害を含めるか等、国によってデータの前提条件が異なるため一義的には言えないが、東日本大震災が発生した2010年度を除き、日本の停電時間、停電回数の実績は欧米諸国と比較して少ないことがわかる。


なお、これらの内容は、同機関の年次報告書にも取りまとめられる予定だ。

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