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産総研、九州大学内に「水素材料強度ラボラトリ」設立 水素脆化を研究

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産総研、九州大学内に「水素材料強度ラボラトリ」設立 水素脆化を研究

産業技術総合研究所(産総研)は11日、九州大学(九大)と共同で「産総研・九大 水素材料強度ラボラトリ」(AIST-Kyushu University Hydrogen Materials Laboratory:HydroMate)を設立した。水素脆化現象を根源的に解明し、理想的な耐水素脆化材料の開発を目指す。

複雑な水素脆化現象の基本メカニズムを解明し、新材料を開発する

水素脆化とは、金属材料中に侵入した水素によって、金属材料の引張(ひっぱり)強度や伸びなどが低下する現象。水素の影響により延性が低下し、マクロには材料が脆性的に破壊することから、水素脆化と呼ばれている。この複雑な水素脆化現象を解明し、理想的な耐水素脆化材料を開発するためには、ナノレベルからマクロレベルに渡る幅広い知見の集約が必要だ。

同研究所で実施される研究は、高純度鋼などを対象として、引張試験やナノインデンテーションなどのマクロレベルでの材料強度評価を行うとともに、有限要素シミュレーションによるき裂先端部の応力・ひずみ解析や、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いた材料の破面や表面状態のナノレベルでの観察を行うことにより、水素脆化現象の根源的な解明を進め、革新的材料の開発を目指す。

研究所は九大伊都キャンパス(福岡県福岡市)に設置され、水素の安全で経済的な利活用のため、水素用材料の脆化現象の解明とそれに基づく新規材料の開発を目指した基礎的研究が行われる。九大による高圧水素ガス中でのマクロレベルの材料強度評価技術に基づく機械工学的な視点と、産総研がもつ水素環境中でのナノレベルの材料組織評価技術に基づく材料工学的な視点を融合させ、研究を実施する予定だ。また、産学官ネットワークを構築し、研究成果の民間企業への提供を目指す。

産総研と九大は、2006年7月から2013年3月まで、「水素材料先端科学研究センター(HYDROGENIUS)」を共同で運営し、水素を安全・簡便に利用する技術および指針を産業界に提供し、水素社会実現に向けた基盤整備を行ってきた。同事業期間終了後も、2者は継続して連携し、水素ステーション用材料の鋼種拡大や燃料電池自動車(FCV)用材料の水素適合性試験法作成に関するNEDO研究開発プロジェクトも協力して実施してきた。また、自動車用圧縮水素容器の基準の整備など、国際基準との調和にも貢献する。

同研究所は、2015年12月24日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015改訂版)」に基づき設立された。

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