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地熱発電の出力を大幅アップさせる「超臨界地熱資源」 予想以上に存在か

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地熱発電の出力を大幅アップさせる「超臨界地熱資源」 予想以上に存在か

亀裂性花崗岩質岩石からなる大陸地殻の温度・深度や、水の流路となる亀裂に作用する圧力で決まる弾性・塑性領域と、超臨界地熱資源が存在しうる領域との関係

東北大学は1月24日、「超臨界地熱資源」が従来の予想以上に存在する可能性があることを明らかにした。この成果は、2017年1月24日の英科学誌 Nature Geoscience(オンライン版)に掲載されている。

「超臨界地熱資源」とは、地下深くで高温高圧下にある超臨界水(温度374℃以上、圧力22MPa以上の水)からなる地熱資源のこと。地熱発電に利用できる可能性がある。この超臨界地熱資源を利用できた場合、地熱発電所の生産井1本あたりの発電量が、従来型地熱資源を用いた場合(3~5MW)よりも約1桁大きくなる(35MW)見積もりだという。実際に、アイスランドでは近年、掘削により上記にあてはまるような450℃の超臨界地熱資源の存在が確認されている。

これまで、大陸地殻の大部分を構成する花崗岩質岩石はその性質上、深度約2km以上の高圧環境では水の流路となる亀裂に乏しく、透水性が極めて悪いという仮説が存在していた。

今回の研究では、高温高圧下の亀裂性花崗岩に対する透水実験を行い、亀裂性花崗岩の塑性変形が生じる温度・圧力条件と、透水性への影響を明確にした。亀裂性花崗岩は、流体流路となる亀裂を有する花崗岩のことを指す。

実験の結果、これまで透水性が極めて悪いと予想されていた高温高圧の花崗岩質岩石からなる大陸地殻であっても、超臨界水が存在することができる高い透水性をもつ可能性があることがわかった。これにより、これまでの仮説が成立しない場合があること、すなわち、地熱発電に利用可能な超臨界水からなる地熱資源(超臨界地熱資源)が従来の予想以上に存在しうることを世界で初めて明らかにした。

なお、「塑性変形」とは、力を取り去っても岩石が元の形に戻らない場合の変形のこと。一方で、岩石が力を受けて変形するとき、力を取り去ると岩石が元の形にもどる場合の変形を、弾性変形と呼ぶ。同じだけ力を増加させた場合の変形量は塑性変形の方が大きい。

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