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中小企業801社の省エネ対策、実態は? 日本商工会議所の初調査が公開

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中小企業801社の省エネ対策、実態は? 日本商工会議所の初調査が公開

日本商工会議所は1月31日、昨年初めて実施した中小企業の省エネ対策などの実態調査について速報を発表し、この速報をもとに、経済産業省と連携し取組みを促進させるアプローチ策の提言を行った。

同調査は、2016年9月21日~11月30日にかけて行われたもので、全国801社の回答が得られた。中小企業では、省エネ等の企画・実行に人員を割くことが難しく、自社の電力使用量や節電可能な作業工程の把握などノウハウに乏しい場合が多いという現状を踏まえ、中小企業の実態に即した地球温暖化対策(省エネ対策等)の取組みを促進する効果的なアプローチ策について検討する目的で実施された。調査は、各地商工会議所を通じて、全国の会員企業を対象にアンケートを実施した。

アンケート結果速報の概要は下記の通り。

省エネ担当者を置く企業は4割しかいない

調査対象の企業は資本金1000万円以下、従業員20人以下の企業が約半数。業種は、製造業や小売・サービス業が比較的多い。また、省エネ担当者を置いている企業は約4割で、2030年削減目標は約8割が認識し、一方「COOL CHOICE」は6割弱が「知らない」と回答している。

無料の取り組みが多い

これまで実施した省エネ対策については、投資を伴わない取組みや投資効果の分かりやすい取組みの実施率が高い。企業規模が大きくなるほど取組実施の割合が高い。

「リサイクルの推進」や「エコドライブ」は、従業員数十人の中規模企業における実施割合が最も高く、企業の規模が大きくなると実施割合が下がる傾向にあることから、運用ルールを徹底しやすい規模があることがわかる。

運輸業は、「エコドライブ」や「次世代自動車」など車両関連の取組みが多く、工場を有する製造業や店舗を有する小売業・サービス業とは、取組み内容に相違があった。

また、今後実施したい取り組みについても、投資効果が分かりやすく、比較的投資規模の小さい取組みの実施意欲が高い。「投資規模の大きな取組み」や「他企業を巻き込んだ取組み」、「各種機関が提供する省エネツールの利用」についても、実施意欲を持つ企業が一定数存在する。小規模よりも、中規模クラスの企業の方が今後新たに実施する取組みが増える傾向にある。 建設業では比較的多様な取組みの実施意欲が高かった。

省エネの動機はコスト削減

「コスト削減」が主な動機。企業規模が大きく、温暖化への関心が高くなるほど、また、都市規模が大きくなるほど、「CSR」を動機とする企業の割合が高くなり、特に卸売業・運輸業で高い傾向にある。

課題は「理解不足」

「取組み内容や方法の理解」が不足している状況。 企業規模が小さいほど、また、都市規模の小さい地域でも、「取組み内容・ 方法の理解不足」 を課題に挙げる割合が高くなる。

「費用」と「専門人材」が足りない

結果として、温暖化対策に取組むための「費用」と「専門人材」が足りていない状況であるとわかった。

規模が小さい企業は、「費用面」での課題に加え、「取組内容の理解」を課題に挙げる割合が高い。中規模企業は、「先進事例の把握」や「外部からの助言・支援の不足」を課題に挙げる割合が高い。 企業規模が大きくなるほど「専門人材の不足」を課題に挙げる割合が高い。

また、温暖化問題への関心が高くなるほど、「外部からの助言や支援」を期待する割合が多くなり、関心が低くなるほど、「費用の捻出」や「取組みの内容・メリットの理解」を課題に挙げる割合が多かった。

分析結果から考えられる効果的な方法は

日本商工会議所では、この分析結果を踏まえ、「まだ取組みを実施できていない中小企業」と「ある程度の取組みを実施している中小企業」それぞれの省エネ対策の実施レベルにより、各中小企業の実態やニーズ、および地域の実情に応じた環境行動に関する取組みリスト(環境行動計画)を策定する予定だ。

また、地域の中小企業と積極的にコミュニケーションを図り、複数の商工会議所からのヒアリングを通じて、中小企業へのアプローチ策に関する意見も、「貴重なヒント」として公表されている。同意見の概要は下記の通り。

  1. 省エネの取組みによるメリットの「見える化」が必要
  2. 「伴走型」の支援、身近な事例紹介や事例共有が有効
  3. 実態に即した取組リストの策定
  4. 国・県・市・支援機関による、平易な言葉での解説

なお、今回の調査結果は「速報版」で、全体の集計と分析結果は3月末に改めて公表される予定だ。

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