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日本の「水ビジネス国際戦略」公表 シェア率0.4%の世界市場でどう戦う

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経済産業省は3月13日、水ビジネスの国際展開について現状と課題等を整理し、海外展開に向けての調査・検討を行い、日本の水関連企業等による水ビジネスの今後の海外展開の方向性を取りまとめ、公表した。

日本の水ビジネスは、2010年6月に策定された「水ビジネスの国際展開に向けた課題と具体的方策」により、造水・工業用水・再生水といった成長ゾーンへの展開や上下水分野であるボリュームゾーンへの展開を方向性としてきた。

国内の水関連企業等は、海外の水事業会社等の買収や出資、国内で地方自治体から浄水場等の運用・管理を包括的に委託する事業を担うなど、水ビジネス市場での競争力確保の取組が進展しつつある。

しかしながら、世界の水ビジネス市場における国内水関連企業等の市場占有率は0.4%(2015年3月「水ビジネス市場に関する動向調査」より試算)と極めて低い状況にある。こうした現状を踏まえ、同省は、従来の水ビジネスの国際展開について現状と課題等を整理し、今後の更なる海外展開に向けての調査・検討を行ってきた。

公表された概要は下記の通り。

今後の方向性

  • 相手国ニーズに応えた技術開発、ビジネス展開の取組を積極的に進めるべき。良い技術があっても、売れなくては意味がない。
  • 機器売りのみならず、ニーズに合わせた計画策定や、O&M(オペレーションとメンテナンス)も含めたパッケージでの展開により、付加価値獲得を追求すべき。
  • ローテク市場を獲得した上でハイテク市場へ拡大する中長期戦略的アプローチも重要。
  • 将来的に自社技術導入につながる可能性もある事業運営に、ローカル企業と組んで積極参入すべき
  • ローカル市場への参入と、規模及び範囲の拡大の観点からも、M&Aや連携等の企業戦略が不可欠
  • 海外での事業参画・運営までできる自治体は限られる。直接の事業参画・運営でなくとも、自治体間の協力を通じた案件形成支援や、設計等のノウハウ提供によりパッケージ化の支援が重要。
  • 分野・市場や国をより明確化した需要開拓・案件形成が必要。

分野・市場の明確化の例

分野・市場の明確化の例

環境整備・国の支援

  • 市場の拡大/O&M付案件組成のための「質の高いインフラ」の評価手法の普及・案件形成
  • O&M案件や漏水管理等の新たな技術・サービスにおける現地人材育成支援
  • パッケージ化を促進するODA案件の組成
  • M&AやPPP案件のためのファイナンス支援の強化
  • 水ビジネスの現状を把握するための継続的なデータ整備・市場実態把握

なお、水ビジネス市場の現状は下記の通り。

世界の水ビジネス市場の推移(2013~2020年)

世界の水ビジネス市場の推移

地域別市場規模(2015年)

地域別市場規模

市場構造

分野別に見た海外市場における日本企業の実績(2013年度)

分野別に見た海外市場における日本企業の実績

地域別の日本企業占有率

これまでの日本企業の取り組み

海外における水ビジネスの入札事前資格を取得するためのビジネスパターンと事例には次のものがある。

海外企業とジョイントベンチャー設立

モルディブ・上下水道運営事業会社への出資(日立製作所)、ドバイ・水事業会社への出資(三菱商事・三菱重工・JBIC)、オマーン・アルグブラ IWPプロジェクト(住友商事)など

海外企業を買収

シンガポール・水事業会社の買収・合併(日立製作所)、インド・水事業会社の買収(東芝)、チリ・上下水道事業会社の買収(丸紅・産業革新機構)

自治体との連携や自治体の事業参画

ミャンマー・漏水対策事業(東洋エンジニアリング、三井物産、東京水道サービス(東京都監理団体)が共同事業会社を設立)、北九州ウォーターサービス設立(北九州市、安川電機、メタウォーター、みずほ銀行等が出資。海外のコン サル案件などを受注)、水みらい広島設立(広島県、水ingが出資。海外における事業展開を検討)

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