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中小企業の省エネ対策、実態調査レポートの最終版が公開

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経済産業省は3月17日、中小企業における省エネなどの地球温暖化対策の実態を初めて調査し、集計結果をとりまとめ公表した。

この調査の目的は、中小企業における取組状況や課題を把握し、解決に向けたアプローチ策を検討・提案することである。

今回発表されたこの調査結果は、1月31日に日本商工会議所が速報を発表したもの。経済産業省は日本商工会議所と連携し、各地商工会議所を通じて全国の会員企業を対象にアンケート調査を実施した。回答したのは全国801社。

速報で発表された時と同様、中小企業の省エネ対策の実体は、多くの場合コスト削減が動機であり、そのため「不要な照明の消灯・間引き」、「省エネを考慮した空調・温度管理」など無料でできる取り組みが多くなっている。その理由として、規模が小さい企業ほど省エネ対策を実施するために「費用面」での課題があるとしている。

ほか、今回の調査結果では増税や規制に対するアンケート結果などが公開されている。

増税を伴う政策的な規制には反対

多くの中小企業が、CO2削減のためにコストが増加する問題を懸念しているのは、2016年5月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」に対する本アンケートでの回答にも表れている。

まず、同計画のなかで、森林吸収源対策として「森林整備等の財源に充てる税制(森林環境税(仮称))などの新たな仕組みを検討する」ことについては、反対が22%、どちらかというと反対が25%の計47%で、賛成が3%、どちらかというと賛成が8%の計11%を大きく上回っている。

森林環境税導入への考え方

森林環境税導入への考え方

同様に「大型炭素税」の導入(増税)や、企業のCO2排出量に枠(キャップ/上限)をはめて罰則を科す「排出量取引制度」の導入に関しても、反対が15%、どちらかというと反対が21%の計36%で、賛成が4%、どちらかというと賛成が17%の計21%の1.7倍を示している。

規制的手法(大型炭素税や国内排出量取引制度)導入への考え方

規制的手法(大型炭素税や国内排出量取引制度)導入への考え方

また、「大型炭素税」や「排出量取引制度」の導入の反対・賛成の選択肢として挙げられた回答は次の通りである。反対意見の選択肢としては、経済的負担を理由とするものが多く、逆に賛成意見の選択肢としては、社会的な意義を理由とするものが多い。

反対の理由としての主な選択肢

  1. 導入により、家計や企業の負担が重くなるため
  2. 導入により、経済への影響が懸念されるため(景気回復の足かせとなる、企業の国際競争力が低下する、産業の空洞化が起こる等)
  3. 炭素税等により生じた税収が政府によって無駄に使われるかもしれないため
  4. 各種エネルギーには既に多くの税が課かっていて、これ以上の負担に耐えられないため
  5. 他の手法(温対税、自主的取組、JCM等)の方が優れているため
  6. 導入の具体的・定量的効果がないと思うため

賛成の理由としての主な選択肢

  1. エネルギーの価格を上げれば、人々が損得勘定の下で自然とエネルギーの節約などをするようになり、地球温暖化防止につながると思うため
  2. 国民一人一人の環境を大切にする気持ちを呼びさますと思うため
  3. 地球温暖化対策には、社会全体で相当のお金がかかり、その費用負担は、温室効果ガスの排出量に応じてなされるべきだと考えるため
  4. 家庭やオフィス、マイカーを中心にCO2の排出量がなかなか減らないので、この解決のために新たな仕組みを取り入れることが必要と感じるため
  5. 現在の温暖化対策は、規制を受ける人・企業や、自主的に取り組む人・企業が取り組んでいるだけで、何もしていない人も大勢いるが、新たな規制的手法の導入により、全員参加の仕組みができるため

小売・サービス業やビルなどは40%省エネが必要

中小の卸・小売・サービス業や事務所ビルなどでの業務部門は、今後CO2を約4割削減する必要があるといわれている。これはわが国の「地球温暖化対策計画」の目標である「2030年度に2013年度比、26%削減」を大きく上回る数値となっている。

このため、中小企業に対する省エネ対策等の取組促進にあたっては、ハード・ソフト両面での環境整備がとても重要となってくる。

今回の調査とあわせ、日本商工会議所は中小企業へのヒヤリングを通して、温暖化対策の取組みへの中小企業へのアプローチ策に関する意見も発表した。

その意見書によれば、地球温暖化対策の方向性は国全体で定着させることが重要であり、国・県・市・支援機関は中小企業にも分かりやすく解説し、共感を得て、ともに取組みを進めていく姿勢が大事であるとまとめている。

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