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日本政府、地球温暖化対策も「3本の矢」を世界に発信

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日本政府、地球温暖化対策も「3本の矢」を世界に発信

経済産業省は4月14日、2030年以降の長期の温室効果ガス削減に向けた対策を検討してきた「長期地球温暖化対策プラットフォーム」の報告書を取りまとめ、国際貢献、産業・企業のグローバル・バリューチェーン(国際的分業体制)、イノベーションの3本の矢に基づく、「地球儀を俯瞰した温暖化対策」を核として日本の長期戦略を構成すべきであると発表した。

また報告書では、これら地球温暖化対策「3本の矢」により、日本全体の排出量を超える地球全体の排出削減(カーボンニュートラル)に貢献する「3つのゲームチェンジ」を仕掛けていくとしている。それによりパリ協定の排出・吸収バランスに向けた本質的な貢献をしていく。

まず国際貢献によるカーボンニュートラル化では、今後、日本による世界の削減量を定量化し、我が国全体の排出量を超える国際貢献を行い、これを積極的に発信する。さらにこうした取り組みを通じて、各国が貢献量の多寡を競い合う新たなゲームへの移行を進めていく。

また、産業・企業のグローバル・バリューチェーンによるカーボンニュートラル化では、使用段階での温室効果ガス排出が大半である製品も多いことから、素材・製品・サービスの生産部門での削減によって、グローバル・バリューチェーンでの温室効果ガス削減へと視野を広げていく。

そして、イノベーションによるカーボンニュートラル化では、世界全体での温室効果ガスの抜本的な削減を実現すべく、エネルギー・環境イノベーション戦略に基づく技術開発を進めるとともに、技術ロードマップの策定や産官学で議論する新たな場「ボトルネック課題フォーラム(仮称)」の設置を行うなど、イノベーション創出に向けて取り組む。

特にエネルギー起源CO2を減らす必要がある

この報告書では、3つのゲームチェンジ(3本の矢を効果的に打つ)にあたっての論点・ファクトの整理、方向性についても整理している。この中で、カーボンプライシング施策(排出量取引・炭素税)については、国際比較や既存施策による措置等を考慮すると、現時点では追加措置は必要な状況にないとしている。

今後は、報告書で提示した方向に基づき、他の政策との間で調和を図りつつ、具体的なアクションを構築していくことが求められる。

そのためパリ協定や伊勢志摩サミット宣言を踏まえた長期戦略を策定することになるが、とりわけ日本で排出される温室効果ガスの9割がエネルギー起源CO2であることから、エネルギー政策との調和を図っていくことが大きな課題だと結んでいる。

COP21で各国に長期低排出発展戦略を招請

昨年12月にCOP21において採択されたパリ協定において、2020年までに各国は自国の「長期低排出発展戦略(世紀中頃の長期的な温室効果ガスの低排出型の発展のための戦略)」を作成、提出することが招請されている。

そこで、経済産業省では産官学からなる「長期地球温暖化対策プラットフォーム」を開催し、2030年以降の長期の温室効果ガス削減に向けて、論点を整理し、経済成長と両立する持続可能な地球温暖化対策のあり方について検討してきた。

しかし「2050年までに80%の温室効果ガス排出削減」の長期的目標は、現状および近い将来に導入が見通せる技術をすべて導入したとしても、農林水産業と2~3の産業しか許容されない水準で、これまでの国内、業種内、既存技術内に閉じた対策で、地球温暖化問題に立ち向かうには限界がある。

本報告書は、地球温暖化対策計画において、2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すとした長期的目標等を踏まえ、経済成長と両立する持続可能な地球温暖化対策の観点から論点整理を行い、日本の地球温暖化対策の進むべき方向を提示したものだ。

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