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下水処理水・海水の塩分濃度差で水素ができる!? 山口大学など調査へ

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下水処理水・海水の塩分濃度差で水素ができる!? 山口大学など調査へ

下水処理水と海水の塩分濃度差を利用した水素製造システムの実用化に関する技術調査事業概要
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山口県は5月1日、淡水(下水処理水)と海水の塩分濃度差を利用した水素製造システムの実用化に関する調査・研究事業が国土交通省委託事業に採択されたことを受け、下水道処理場の徳山東部浄化センター(山口県周南市)において実用化調査を実施すると発表した。

この事業は、国土交通省委託事業「平成29年度下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)・FS調査」によるもので、山口県産業技術センター(山口県宇部市)がコーディネートし、山口大学(山口県山口市)や企業等で共同提案した水素製造技術の確認を行うもの。

昨年度は、山口大学、正興電機製作所(福岡県福岡市)、日本下水道事業団(東京都文京区)が、福岡県福岡市にて濃縮海水(処理済み海水)を活用した基礎調査を実施した。2017年度は、実海水を用いて本格的な調査に着手する。主に、水素・酸素製造能力の向上や前処理装置の確立技術を評価する。

具体的には、下水処理水と海水の塩分濃度差、下水処理場の立地条件、下水処理水のポテンシャルを活かした新たな水素製造技術について、水素発生量、水素純度等の技術的な性能について調査し、各種設計条件について検討する。なお、本事業には、アストム(山口県周南市)が専用の膜製品等を提供している。

海水を原料とする食塩製造技術等を応用

今回採択された技術は、海水からの食塩製造、醤油の脱塩などに利用されていた技術を応用し、下水処理水と海水の塩分濃度差を利用したCO2フリー水素製造システムである。発表では、そのメリットとして、以下の点をあげている。

  • 効率的かつ低コストで安定的な水素製造が可能
  • 高純度の水素ガス以外に酸素ガスも得られる
  • 下水処理水の下水熱利用による水素製造量増
  • 消化工程を採用していない下水処理場でも海水の取得が容易であれば、水素製造が可能
  • 下水処理場はエネルギー消費地に近いため水素の輸送コストを抑えられる

B-DASHプロジェクト・FS調査とは?

B-DASHプロジェクト・FS調査は、下水道事業における低炭素・循環型社会の構築等に向けた、実規模レベルのプラントを用いた実証の前段階として実施する調査・研究事業。新技術に関する導入効果などを含めた普及可能性の検討や技術性能の確認等を行う。

この事業は、県産業技術センターのコーディネータが特許調査などを行い、同システムが世界初となることを確認し、参画機関の調整や提案書の作成支援等を行い提案・採択に至った。

提案者の代表機関は山口大学で、共同研究機関は正興電機製作所 山口営業所(山口県山口市)、日本下水道事業団。事業は単年度、予定事業費は3,000万円を上限とする事業として採択された。

山口県では、「やまぐち次世代産業クラスター構想」の推進および「水素先進県」の実現に向けて、県や関係省庁の補助制度等を活用し、産学公連携による研究開発・事業化の促進に取り組んでいる。

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