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難しい…電力「容量市場」創設の検討 OCCTO内部での勉強会資料が公開

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電力広域的運営推進機関(OCCTO)は6月23日、同月22日に開催した第3回「容量市場の在り方等に関する勉強会」の配布資料を公開した。

2017年2月、国の審議会により、卸電力市場(kWh価値の取引)に加え、発電等による供給能力を認め、その価値に応じた容量価格(kW価格)を支払う、容量メカニズムとして容量市場を創設することが提案された。

同市場の創設は、卸電力取引の活性化、再エネの導入拡大下においても、中長期的に必要な供給力・調整力を確保するための仕組みとして導入することを目的としている。

こうした状況のもと、今回の勉強会では、「容量市場の地理的範囲」と「容量市場の価格形成の在り方(需要曲線について)」について検討した。

発電側は連系線の運用制約を考慮&全国単一規模でオークション

容量市場の地理的範囲では、今回、発電側の扱いについては、「連系線の運用制約を考慮のうえ、全国単一規模でオークションを行う」方向で一旦整理された。

また、必要な容量を市場管理者等が一括で調達する集中型市場の仕組みにおいては、発電側へ支払われる総額を、何らかの考え方に従って小売事業者に対し按分して請求することとなる。

そのため、小売側に関しては、小売側に発電側のオークション約定価格と同額を課す考え方と、発電事業者への支払い総額を全ての小売事業者へ配分する考え方、の二つのオプションに整理された。これについては、今後議論することとした。

留意点として、容量市場で考慮すべき連系線の容量は、その対象とする範囲によって大きく変わり得ること等をあげている。

容量市場の価格形成の在り方(需要曲線について)

米国北東部のISO・RTOの容量市場で採用されている需要曲線は、垂直型と傾斜型(右下がり型)の2通りが考えられる。

傾斜型を採用している米国PJMやNYISO等においても、当初は垂直型の需要曲線を採用していたが、供給量の変化に対する市場価格のボラティリティが高いことを理由に、傾斜型へ移行した(図参照)。

需要曲線の設定方法の変遷

需要曲線の設定方法の変遷
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この勉強会では、需要曲線の設定にあたっては、PJM等と同様の需要曲線(Net CONE:Cost of New Entryに基づく設定)を作成する方針を基本として検討を進めていく方向性が示された。

「容量市場」創設の経緯

発電事業者等が卸電力市場の中で、十分な投資回収の予見性を確保できず、適切なタイミングで電源投資が行われなかった場合、いずれは中長期的に供給力が不足し、市場価格が高止まりする懸念がある。

容量市場は市場運営者が数年先の供給能力の必要量を確保し、それを提供する発電事業者等に対して、その能力に応じた容量価格の支払いを約束するものである。

容量市場の導入により数年先の容量価格が明らかになれば、それを新たな電源投資の指標として用いることができるため、より適切な時期に投資判断ができるようになると考えられる。

容量市場の創設に関する提案では、同機関が市場管理者等として一定の役割を果たし、今後の技術的な内容を含む詳細設計についても検討を進めていくこととされている。

そこで、同機関は、国の審議会での議論の方向性を踏まえつつ、容量市場の創設に向けた詳細設計の開始に先立って、事務局・各委員の間で、関連情報の収集と共有化を図り、知識を深めることを目的として「容量市場の在り方等に関する勉強会」を立ち上げ、第1回勉強会を3月に開催した。

なお、この勉強会は、方向性を決定する会議ではないとしている。

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