> > 黒潮による「海流発電」の実証試験、無事完了 2020年には実用化か

黒潮による「海流発電」の実証試験、無事完了 2020年には実用化か

 印刷 記事を保存
黒潮による「海流発電」の実証試験、無事完了 2020年には実用化か

口之島沖での実証試験に向けた準備作業の様子

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とIHI(東京都江東区)は8月25日、8月に鹿児島県十島村口之島沖の黒潮海域で、100kW規模の海流発電としては世界初となる水中浮遊式海流発電システムの実証試験を完了したと発表した。

今回の実証試験により、100kW級実証機「かいりゅう」が想定どおりの性能を発揮することを確認した。また、発電性能だけでなく、海流特性や設置・撤去工事手法の精査等を含め、今後の実用化に向けて必要な実海域での試験データを取得した。

この実証試験で用いた海流発電システムは、海流エネルギーを利用して発電する新たな再生可能エネルギー技術で、海底に設置したシンカー(錘)から浮体式発電装置を海中に係留し、海流の流れによって、タービン水車を回転させることに発電する仕組み。

NEDOは、エネルギーが強く、変動が少ない海流エネルギーについて、新しい再生可能エネルギー源として期待している。IHIは、水中浮遊式海流発電システムを2020年以降に実用化することを目指す。

実証試験の概要

まず、実証試験に先立ち実施した曳航試験では、定格出力100kWの出力を達成した。具体的には、7月25日から7日間、野間岬(鹿児島県南さつま市)沖の甑(こしき)海峡にて、船舶で「かいりゅう」を曳航することで黒潮に模した水流を発生させ、海中での挙動の確認を行う曳航試験を実施し、定格流速1.5m/秒で100kWの発電出力を確認した。

続いて、8月12日から7日間、内閣府の海洋再生可能エネルギー実証フィールドに選定された鹿児島県十島村口之島沖の黒潮海域で、実証試験を実施した。

この実証試験では、水深約100mの黒潮海域で「かいりゅう」の設置・撤去工事の施工・検証を行った。また、発電に関しては、実際のトカラ列島付近の黒潮の流れの中で、水深約30~50mに浮遊させた「かいりゅう」を、自律制御システムによって姿勢や深度を制御しながら、最大30kWの発電出力を確認し、発電性能や浮体の安定性の検証等の試験を完了した。

海流エネルギー発電について

日本の沿岸付近には、世界的にも有数のエネルギーを持つ黒潮などの強い海流が、年間を通じて安定して流れている。NEDOは、2011年度から海流エネルギー発電の研究開発に取り組んできた。

2017年7月、NEDOとIHIは、海流発電の技術的な開発を完了し、100kW級実証機「かいりゅう」をIHI横浜事業所(神奈川県横浜市)で完成させ、今回、実海域において海流発電の100kW級実証試験を実施・完了した。

なお「かいりゅう」の定格出力は約100kW(50kW×2基)。タービン直径は約11m、浮体長さは約20m、幅は約20m、定格流速は1.5m/秒(3ノット)、浮遊深度は約30m~50m。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.