
図 温暖化したとき、以前と同じ気温の場所を探す場合の例
気温1℃の低下は、標高では約150m上への移動、水平では約145kmへの北上に相当する。
長野県環境保全研究所(長野県長野市)などの研究グループは11月27日、「気候変動の速度(VoCC)」という指標を使って、全国各地の気候変動の影響を初めて推計した結果、地球温暖化で高山生態系の行き場がなくなる恐れがあることがわかったと発表した。
この結果を踏まえ、温室効果ガスをできるだけ減らすと同時に、野生動植物の移動の補助や生息域外での保全策を検討を始める必要があると指摘している。
「気候変動の速度」を全国で初めて推計
地球温暖化により野生動植物の生息適地は、より標高の高い地域やより北の地域へと移動したり、消滅したりする。この研究では、約1km四方ごとの年平均気温を、現在(1981-2010年)と将来(2076-2100年)で比較し、気候変動の速度(VoCC)を日本全国で推計。同じ気候条件が元の場所からどれくらい近くに見つかるかを、日本全国の地点ごとに調べた。
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