西松建設と戸田建設、環境配慮型コンクリの建設技術審査証明を取得
西松建設(東京都港区)と戸田建設(東京都中央区)は9月27日、共同開発した環境配慮型コンクリート「スラグリート」について、日本建築センターの「建設技術審査証明(建築技術)」を取得したと発表した。
また、これに伴い、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)への適合性について、確認申請時に建築主事などが適切な判断を行えるよう、「スラグリート確認申請マニュアル」も整備した。
証明の取得とマニュアルの整備により、同技術の建設分野での適用をさらに進める。
高炉スラグ微粉末をセメント代替に CO2排出量20%~65%削減
同製品は、高炉スラグ微粉末をセメントの代替品として用いることで、CO2排出量を20%〜65%削減できるコンクリートだ。建築・土木工事問わず、構造物全体で環境性能の高いコンクリートが選択的に適用できるよう、3種のメニューを展開する。
スラグリートBA
普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種を50:50の混合比率にて製造した高炉セメントA種相当のコンクリート
スラグリートBC
高炉セメントB種と高炉スラグ微粉末を60:40の混合比率にて製造した高炉セメントC種相当のコンクリート
スラグリート70
普通ポルトランドセメントと高炉スラグ微粉末を30:70の混合比率にて製造した高炉セメントC種相当のコンクリート
建築物への適用促進 建築主事向けの運用マニュアルを整備
建築構造物に使用するコンクリートは、建築基準法では指定建築材料であることが求められ、JIS A 5308の品質に適合していることが必要だ。しかしスラグリートは、製造方法によっては「同一バッチに異なる2種類のセメントを使用して製造する」「セメントと高炉スラグ微粉末を一つの計量機で累加計量する」の2点の条件について、JISマークを表示するための要件を満たしていない。
一方で、国交省からは、製造したコンクリートがJIS A 5308に適合したコンクリートと同等以上の性能を有することや、混合したセメントが同規格に引用されているセメントのJIS規格に適合していることが明らかであることなどが確認できれば、JIS A 5308へ適合していると判断できることが示されている。今回の建設技術審査証明(建築技術)取得により、適合が確認されたこととなる。
また、最終的には建築主事等の判断によるため、全国の建築主事などへ統一して説明ができるよう確認申請マニュアルを整備し、建築構造物への使用を促進を図る。
続きは無料の会員登録(必須情報入力)後にお読みいただけます。
- 環境対策・環境推進に役立つニュース記事が読める
- 平日毎朝、自分の興味に合った最新ニュースをメールで受け取れる
- 有料記事などに使えるポイントを貯められる
- クリッピング機能で要チェック記事をストックできる