水素貯蔵中、液体水素の蒸発ロスを防ぐ触媒開発 NIMSら

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物質・材料研究機構(NIMS/茨城県つくば市)と東京工業大学は12月15日、液体水素を大量に輸送・貯蔵する際、液体水素の一部が蒸発するロスを防ぐ新たな触媒材料を発見したと発表した。この結果を基に、材料設計のさらなる指針を示した。

蒸発ロスの原因「残留オルソ水素」を効率的に変換する

2個の水素原子からなる水素分子は、オルソ水素とパラ水素という2つの形態が存在する。オルソ水素は、徐々に冷却されるとパラ水素に変換し、最終的には100%パラ水素の安定した液体水素となる。

しかし、大規模な液体水素貯蔵や輸送のために水素ガスを急速に加圧・冷却すると、オルソ水素からパラ水素への変換が遅れ、液体中には、変換速度の違いから、エネルギー的に不安定なオルソ水素の大部分が残ってしまう。

その結果、残留オルソ水素は貯蔵中も変換を続け、エネルギー放出と液体水素の部分気化を引き起こし、大きなロスをもたらす。

この問題を解決するには、水素ガスの液化前に、触媒を用いてオルソ水素→パラ水素へ変換することが求められるが、従来の触媒材料では、迅速な変換を実現できず、より効果的な触媒の開発が必要とされてきた。

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