三洋化成、炭素繊維用集束剤を増産へ　風力発電等で需要増

三洋化成工業（京都府京都市）は8月17日、炭素繊維の需要増加に対応するため、約7億円を投じ、炭素繊維用集束剤「ケミチレン」の生産能力を約1.5倍に増強すると発表した。現在同製品の製造を行う名古屋工場、京都工場に加え、新たに鹿島工場に生産設備を設置する。2024年5月の稼働を目指す。

炭素繊維は主にプラスチックと複合した炭素繊維複合材料（CFRP）として使用される。CFRPは軽くて丈夫という特性を持ち、スポーツ用途から風力発電用風車、自動車、航空宇宙など幅広い用途で利用されている。主用途の1つである風力発電用ブレードは再エネ拡大に伴い需要が増加している。風力発電設備の増加やブレードの大型化で炭素繊維需要の拡大が見込まれる。さらに炭素繊維は、燃料電池用タンク、ドローン、自動車などの分野でも需要の拡大が見込まれるという。