海水を淡水にするFOシステム、日本触媒らが基幹部材を共同開発

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 Trevi Systems社のハワイ島の海水淡水化FOシステム実証試験装置(出所:日本触媒)
 Trevi Systems社のハワイ島の海水淡水化FOシステム実証試験装置(出所:日本触媒)

日本触媒(大阪府大阪市)は2月15日、米企業Trevi Systemsとともに、次世代の水処理システムである「正浸透(FO)システム」の基幹部材「浸透圧発生剤(DS)」を開発し、ハワイの実証プラントでDSを用いた実証試験を行い、省エネルギー・高効率な海水淡水化を達成したと発表した。今回開発した新DSは従来品と比べて、造水能力が30%向上する。

水不足を解決する「FOシステム」

世界各地で深刻化する水不足を解決する新たな方法として、濃度が低い水溶液から高い水溶液へ自然に水が移動する「浸透」という現象を利用した「FOシステム」が注目されている。

FOシステムでは、浸透圧により海水からDS溶液に水のみが移動し、大量の水を含んだDS溶液(DSと水が均一に混ざり合った水溶液)が得られるが、共同開発したDSは、加熱することで水と分離する性質を持つため、水だけを取り出すことができる。

Trevi Systemsが開発したFOシステムは、加熱により水と分離する「DS」を用いることと、分離後の「DS」をシステム内で再利用することなどの特徴がある。

 Trevi Systems社のFOシステム(出所:日本触媒)
 Trevi Systems社のFOシステム(出所:日本触媒)

今回、Trevi Systemsがハワイ島では、共同開発したDSを用いて、FOプラントで1日あたり500m3の海水淡水化を実施した。

その結果、以下の3点が実証された。

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