アジア系ファンドPAG、再エネ投資の新会社を設立

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アジア拠点の大手投資ファンドであるPAG(東京都港区)は7月6日、アジア地域において再生可能エネルギープロジェクトへの投資・開発・運用を行う子会社として「PAG Renewables」を設立したと発表した。今後は新会社を通じて、数年のうちに10億米ドル超の投資を行う予定だ。

また同日、同社グループ会社運用ファンドを通じて、ファーストソーラージャパン(東京都千代田区)が日本に持つ太陽光発電所の開発プラットフォーム(293MWDC規模)の買収を完了したと発表。今後はファーストソーラージャパンの開発・運用部門が、PAGの再エネ投資事業において中心的な役割を担う。

PAG Renewablesは、PAGがすでに持つ再エネ・ポートフォリオの運用・管理も行う。PAGの既存再エネ・ポートフォリオに今回の買収プロジェクトが加わることにより、600MWDCを超える発電容量を持つ日本最大級の再エネ・プラットフォームを保有することとなる。

今回の取り組みについて、PAGの社長であるジョン・ポール・トッピーノ氏は、「アジア太平洋地域において国内で生産されたクリーンなエネルギーへの移行を進めるにあたっては、今後10年間のうちに数兆ドルに及ぶ莫大な規模の投資が必要となる。この移行への投資はそれが単に社会にとって正しいことであるというだけでなく、PAG Renewablesにとって極めて大きな機会でもある」と述べている。

太陽光プロジェクト開発・運営プラットフォームを買収

PAGは、アジア太平洋地域を中心に500億米ドルを超える資産を運用するオルタナティブ投資会社で、クレジット&マーケット、プライベート・エクイティ、不動産の3つのコア投資戦略を持つ。

同社は5月、同社不動産部門のグループが運用するファンドが、ファーストソーラーとの間で、ファーストソーラーが日本で展開する、293MWDC規模の太陽光発電プロジェクト開発と、約665MWDCの太陽光発電運営(O&M)プラットフォームを買収することで合意したと発表した。

買収するプロジェクト開発では、今後2年間のうちに稼働開始を予定している建設中のプロジェクトを含む複数のプロジェクトが進められている。同社は2021年にファーストソーラーの開発した50MWDCの太陽光発電所を取得しており、合計で343MWDCとなる太陽光発電所を取得することになった。また、この買収の一環として、ファーストソーラージャパンの開発と運営チームを自社に迎えることとしていた。なお、運営(O&M)プラットフォームの買収については、規制当局の承認などを得て、2022年後半に完了する予定だ。

ファーストソーラーは、米国大手の太陽電池メーカー。環境効率に優れた太陽光発電モジュールを生産し、各国に提供している。

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