旭化成、サプライチェーン管理システムの蘭企業に出資

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(出所:旭化成)
(出所:旭化成)

旭化成(東京都千代田区)は12月16日、ブロックチェーン技術を活用したデジタル製品パスポートとサプライチェーン管理システムを開発する、オランダのスタートアップCircularise社に対し、1,100万ユーロ(約16億円)を出資したと発表した。

Circularise社は、ブロックチェーン技術とゼロ知識証明を活用した独自技術「Smart Questioning」をベースに、匿名性と透明性を両立させた信頼性の高いサプライチェーン管理システムを開発している。

これらの技術を用いることで、サプライチェーン上の各ステークホルダーの情報の機密性が保たれたまま、原料、リサイクル履歴、バイオマス・リサイクル比率、カーボンフットプリント、第三者認証などさまざまな情報のサプライチェーン上での追跡が可能になる。

丸紅とも業務提携

Circularise社は2016年に設立したスタートアップ企業。サステナビリティ関連情報の共有化に取り組んでいる。

2021年2月には、丸紅(東京都千代田区)と業務提携。丸紅は、同社が開発するトレーサビリティ管理プラットフォームを日本・アジア向けに展開することを視野に入れている。

丸紅は、同プラットフォームについて、たとえば、自動車業界においては川下のステークホルダーがあるプラスチック成型品の原料情報を知りたい場合、自動車メーカーや加工・成型メーカーを通じて段階的に樹脂メーカーへ問い合わせるのではなく、このプラットフォーム上で、プラスチック成型品の仕様からリサイクル履歴・比率といった環境対応指標まで確認することができると説明している。

旭化成CVC社長の森下 隆氏は、今回の出資について、「Circularise社との協業を通じて、バイオマスやリサイクル原料を原料とした製品の活用を促進することで、サプライヤーの責任として透明性の高いサプライチェーンの構築とサーキュラーエコノミーへの移行に貢献していきたい」とコメントしている。

なお「ゼロ知識証明(Zero-Knowledge Proof)」とは、ある知識を持っていることを、その知識に関する情報を一切開示せずに証明することができる技術をいう。

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