【申込受付中】田中伸男氏がCN世界の勝ち組/負け組を解説 ICEF2024の見どころも

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講演の様子
講演の様子

8月22日開催の環境ビジネスフォーラム「進化する工場・施設のカーボンニュートラル ~生産効率を高めるエネルギー最適化への道筋~」にて、元国際エネルギー機関(IEA)事務局長でInnovation for Cool Earth Forum (ICEF)運営委員会委員長の田中伸男氏が講演を行った。

エネルギー転換に対応できなければ「負け組」に

「グローバルエネルギー環境複合危機の勝組と負組:ICEF2024の見どころ」というテーマで、環境危機に直面する中で、勝ち組・負け組になるプレイヤーの特徴を語った。

「勝ち組」になるプレイヤーとして、脱炭素や技術革新を進める国や企業を挙げた。例として、中国や米国、欧州などは、再生可能エネルギーや水素を積極的に取り入れ、クリーンエネルギーのリーダーとなろうとしている。特に、中国は再生可能エネルギーの導入速度が非常に速いという。また、Appleのように、サプライチェーン全体で脱炭素を求める企業も「勝ち組」として挙げた。こうした企業は、持続可能なエネルギー技術を積極的に導入し、脱炭素の先駆者となることで競争力を高めている。

一方で「負け組」になるプレイヤーとして化石燃料(石油、石炭、ガス)に依存し続け、エネルギー転換に対応できない国や企業を挙げた。特に、ロシアはその典型であり、エネルギー危機の中で再生可能エネルギーを活用できず、人材の流出や投資不足が進むことで、競争力を失うと指摘した。

日本はどうしたら「勝ち組」になれるか

その中で田中氏は、日本は石油や天然ガスを輸入に依存しており、エネルギー安全保障の観点から苦しい状況にあると指摘。日本が「勝ち組」になるためには、水素エネルギーの活用や再生可能エネルギーの導入によって、エネルギー転換および脱炭素を進める必要がある。また、日本にとって原子力も重要なエネルギー源の一つであると言及した。現在、原子力の再評価が進んでおり、稼働中の原子力発電所を長期間活用することや、将来的には小型原子炉(SMR)や高速炉の技術開発が必要だという。

最後に田中氏は、「日本は現在、エネルギーの輸入依存が高い状況にあるものの、脱炭素を進めることでエネルギー技術のリーダーとなる可能性を秘めている」として、水素エネルギーや原子力の活用、そして再生可能エネルギーの導入を加速することが、日本が「勝ち組」になるための重要な戦略であると強調した。

ICEF2024の見どころ

なお、講演の中で田中氏は経済産業省/国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催するカンファレンスイベント「Innovation for Cool Earth Forum 2024」にも触れた。10月9日、10日に開催されるこのカンファレンスでは、世界的なリーダー達がカーボンニュートラルの実現に向けたグリーン・イノベーションの最新動向について講演と討論を行う予定だ。

【詳細・お申込みはこちら】

環境ビジネス特設サイト―Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)2024

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