TIS、web3技術で森林資源の循環利用を活性化 埼玉県横瀬町

ITサービスを提供するTISインテックグループのTIS(東京都新宿区)は3月20日、web3技術であるトークン(暗号資産)やNFT(非代替性トークン)を活用し、森林資源の循環利用活性化のためのプログラム「WOOD DREAM DECK」を開始した。地域の森林資源を活かし、経済循環と環境保全を両立したエコシステムの構築を目指すとしており、まずは埼玉県横瀬町で検証を始める。
コミュニティをweb3技術のトークン、NFTで活性化
同プロジェクトでは、「木を使ってしたいこと」がある人の支援を通して、地域の森林資源の価値向上・循環利用の拡大を行いながら「都市集中・地方衰退の解消」「低・脱炭素化」に貢献する。「したいこと」を技術的に実現する職人や林業関係者、サポートをする地域内外の人をつなぐコミュニティを提供し、web3技術を使って活性化させることで、その実現を3つのポイントで支援する。

- コミュニティを構築し人と人をつなげる
未利用の間伐材や遊休森林などの関係者と地域内外のプロジェクトや個人をつなげるファンコミュニティを構築し、web3技術を使って活性化させる。「木を使ってしたいこと」のアイデアを出し合い、それを実現する職人や林業関係者、サポートや金銭的支援を行う地域内外の人をつなげることで、実現を支援する。 - トークンによるインセンティブでコミュニティを活性化
コミュニティ拡大のため、森林に関連したトークンを発行し流通させる。活動に応じたインセンティブによってプロジェクト参加の動機づけを行い、コミュニティを活性化させる。 - NFTで木の付加価値向上
地域の木材を使った製品や体験をNFT化して付加価値をつけることで、木の需要を生み出し価格を高める仕組みを構築する。NFTを用いて木の情報やメッセージの記録、利用・所有の権利やイベントへの参加資格の付与等を行っていく。追加で得た利益は植樹や再造林の費用に還元する。
web3を活用し、森林の循環利用を根付かせる
同社は、森林が町の8割以上を占める埼玉県横瀬町にてプログラムの検証を開始する。第一弾として、地域のクリエイターがアイデアを出し合い形にした後、地域内外の人で間伐材を使った合板でサウナを作るプロジェクトを開始する。
同社は今後、web3技術などのITテクノロジーによる貢献の拡大によって、より森林の経済的な利用と環境保護の両立を目指す。また、同プログラムによる環境保全効果を明確にし、カーボンクレジットや生物多様性クレジットによる事業も検討していく。
将来的には横瀬町だけでなく、森林に関する課題を抱える他自治体への展開も進め、さまざまな領域のパートナーと協業しながら、森林資源の循環利用を浸透させていくことを目指す。