千葉工業大学、学位証明書をNFT化 web3技術でDXを推進

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(出所:千葉工業大学)
(出所:千葉工業大学)

千葉工業大学(千葉県習志野市)は3月22日、メディア事業を行うPitPa(東京都渋谷区)の支援を受け、NFT(非代替性トークン)学位証明書を発行した。PitPaによると、大学が学位証明書をNFT化するのは国内初だという。NFTによって、同大学の卒業生であることをオンライン上でグローバルに証明できるようになる。

プライバシーを保護しながら、デジタル上で卒業生であることを証明

今回のNFT学位証明書は、ブロックチェーン(分散型台帳)上で一般公開されるNFTとVC(Verifiable Credentials/資格等を証明するデジタル上で検証可能な個人情報のこと)の二つの技術を掛け合わせることで、学生のプライバシーを保護する。NFTでは「同大学の卒業生であること」のみ確認でき、学生の氏名や学位、学科などの個人情報は学生側で公開/非公開の設定が可能なVCとして発行する。学生のプライバシーを保護しながら「千葉工業大学の卒業生」であることを証明できる。

国際規格に準拠した形で発行しているため、グローバル規模でも活用できるほか、このNFT学位証明書を学生が就職先に提出した際のリファレンスチェックのコスト削減にも貢献するという。

同NFT証明書の秘密鍵は、ブロックチェーン技術や暗号技術を用いた金融サービス事業を行うCrypto Garage(東京都渋谷区)が提供するキーマネジメントサービス「mahola wallet」を利用し、管理を行う。専門業者に管理を委託することで、情報漏洩リスクを低減する。

NFTデザインは学生が担当 希望者1,100名へ順次配信予定

同NFT証明書のデザインは、同大学の学生3名が考案した。原石が宝石になるまでの「自ら掘り、磨き、徐々に光っていく」過程を、大学生活を通じて学生が成長していく過程に重ね、「原石」をコンセプトにしたという。NFT、VCそれぞれにコンセプトを反映したデザインとなっている。

なお、同NFT学位証明書は、令和4年度の卒業生に授与する。3月22日に行われた学位記授与式では紙の証書を授与し、NFT学位証明書は希望者約1,100名に対し順次配信していく。

web3技術の活用で社会のDXを推進

同大学は、学生サービスの向上と学内業務に関する最新技術の導入を進めている。同大学とPitPaはこれまでweb3技術を使った学修歴証明書をNFTで発行するなど、組織と人をブロックチェーン上でつなぐ技術を共同で開発してきた。今後も、各種プロジェクトの開発に連携して取り組み、他大学や企業に展開を進めることで社会全体のDX推進に貢献していくとしている。

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