TIS、飲食店でNFTクーポンの実証実験 売上アップを確認

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実証実験の体制(出所:TIS)
実証実験の体制(出所:TIS)

TIS(東京都新宿区)は9月8日、ベトナム国内の飲食店でのNFT(非代替性トークン)クーポンの実証実験の結果を公表した。web3技術を活用した消費者との新たな接点の創出や店舗体験の向上等を目的として行い、実証実験の結果、NFTクーポンによって売り上げが向上したという。

実証実験は、TISが全体の企画運営を担当し、システムにはNFT事業を展開するSUSHI TOP MARKETING(同・千代田区)の「NFT One Shot」を使用。さらにTISの出資先である現地のTinhVan Technologiesの協力の下、ベトナム・ハノイのBiblioCafeにてNFTを活用したクーポン施策を行った。

実証実験は7月19日から31日にかけて実施。店舗のFacebookアカウントと店頭で6種類のNFTを配布し、NFT保有者が来店するとドリンクが一杯無料とした。さらに、ドリンクを購入するとNFTが入手でき、集めたNFTの数に応じてドリンク無料の特典が受けられる、ポイントカードのような仕組みだ。

実証実験の概要図1(出所:TIS)
実証実験の概要図1(出所:TIS)
実証実験の概要図2(出所:TIS)
実証実験の概要図2(出所:TIS)

実証実験を通して、web3技術による消費者との接点の新規創出や店舗体験の向上、店舗経営課題解決の成果を検証し、飲食店業界の新たな展望を築くことを目指した。

実施した結果、7月の同店の売上は前年同月比で6%アップしたという。新規来店顧客・販売数量、平均単価にも効果が見られた。対象者の4人に1人がNFTを受け取ったことを踏まえ、同社は「NFTという新しい技術で顧客の心をくすぐり、この店舗に来れば何かおもしろいことに出会えるかもしれないといった期待感を今回の体験を通じて消費者へ与えた」と考察している。

同社は自社サービス・プロダクトの提供だけでなく、知財や技術のあるweb3パートナーとの共創を行いながら、経営課題の解決に新たな技術をどう活用するかといった企画段階から顧客へ価値を提供していく。NFTを配布するだけでなく、経営課題解決に活用し、収益面でも貢献できるマーケティングプロモーションを追及する考えだ。

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