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捨てられていたオレンジの皮に最先端技術の種

環境ビジネス編集部

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オレンジの皮やミントの葉から採れるリモネンを使い、光学不活性なケイ素系プラスチックから光学活性高分子が自然発生し、リモネン混合の割合を変えることで光学活性が反転する―。

左右性がまったくない汎用プラスチックが、リモネンによって鏡に映るようにらせんの向きに左右ができる。

左右性がまったくない汎用プラスチックが、 リモネンによって鏡に映るようにらせんの向きに 左右ができる。

非常に多くの原子が鎖状につながって構成されている高分子には、鏡に映るような鏡像関係、つまり左右反対の立体構造を持つ光学活性分子(らせんプラスチック)と左右のない光学不活性分子がある。合成樹脂やシリコンゴムなどの高分子製品のほとんどが不活性高分子で、光学活性高分子は、医薬品や液晶フィルムといった高機能・高性能な製品の材料となる。光学活性高分子を意図的に作るのは難しく、簡便に合成する新手法や新概念が待ち望まれているのが現状だ。

光学活性高分子は作られてはいるものの、原料と触媒を精密設計したうえで反応条件を最適化するなど高度な知識や巧みな技が要求される。そのうえ製造コストもかかる。例えば、医薬品は左型か右型かによって毒性や効能が変わるため左右性を厳密に制御した高純度製品として製造しなければならない。結果、高コストとなり国際競争力が下がってしまう。

奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科高分子創成科学研究室の藤木道也教授ら研究グループは、この光学活性高分子を無触媒、常温常圧、わずか10秒で自然発生させる方法を発見した。しかも、溶媒として使われたのは特別なものではなく、オレンジの皮やミントの葉から採れる香料分子「リモネン」だ。

(※全文:2,253文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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