アメリカのパリ協定脱退の「意味するもの」 ―環境ビジネスに与える影響

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2017年6月1日、ついにアメリカのトランプ政権が、公約通りに、パリ協定から脱退した。数日前から「脱退の方向」との報道も繰り返されていたが、それでも希望は捨てなかった。各国政府からの説得はもちろん、TeslaやAppleのみならず、石油や石炭業界というエネルギー業界も含むアメリカのビジネスからも「パリ協定に留まるべき」との働きかけが行われたからだ。しかし、予想通りにAmerica Firstを掲げ、トランプのアメリカはパリ協定から脱退した。これは今後の環境・エネルギービジネスにどのような影響を与えるのだろうか。私なりの考えを述べたい。

まず、歴史的な合意とされたパリ協定によって作られた脱炭素社会へのモメンタムは、アメリカがパリ協定から脱退しても変わらないと考える。合意からわずか1年足らずで協定が発効し、2017年6月1日現在、147か国が締約国となっており、総排出量も発効条件であった全体の55%をはるかに超える8割強を占めるため、アメリカが脱退してもパリ協定を葬り去ることはできない。

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