地方の豊かな資源に着目し、「地域活性化」「地域還元」などとうたって地熱開発に進出する大企業が増えているが、温泉旅館など地域と開発事業者との間でもめる事例も増えている。熊本県の「わいた地熱発電所」は、日本初の地元の住民主導で作られた地熱発電所だ。年間6億円の売電収入を得て、地域に潤いをもたらしている。
大手開発を阻止し住民の手で理想の発電所を
熊本県阿蘇郡、小国町。ここに秘湯の温泉郷と知られる場所がある。30世帯からなる小さな村、わいた地区だ。
わいた地区では、地熱から発生する蒸気がもくもくと村の各所から立ち上る。
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