自家消費型システム導入のプロ集団が語る最適な設計とO&Mとは

  • 印刷
  • 共有

RE100に加盟し、日本国内の店舗においても積極的に自家消費型太陽光発電システムの導入に取り組んでいるIKEA。同社のIKEA神戸と弥富物流センターへの導入を手掛けたエネテクは、電気工事業を主体とする電気のエキスパートとして、顧客ごとの目的や長期信頼性の担保に最適なシステム設計や質の高いO&Mを強みとしている。

電気のエキスパートとして最適なシステム設計を提案

高まりを見せる太陽光発電の自家消費ニーズ。その背景としては、「売電」よりも「つくって使う」方が得な時代に変化しつつあること、環境マネジメントや再エネへのシフトなど企業責任が求められるようになってきていること、蓄電池の低価格化に伴いBCP対策として検討する事業者が増加していることなどが挙げられる。

そんな中、再エネへのシフトを目的に自家消費型太陽光発電システムをいち早く導入しているのがIKEAであり、その神戸店と弥富物流センターの事例を手掛けたのが「エネテク」である。多岐に渡る導入目的や設置場所、既存設備の状況などを細かく分析し、最適なシステム設計を提案できる知見やノウハウを有しているのが他社と大きく異なる点だ。

使用量を超えない発電量設計もそのパターンは多岐に渡る
使用量を超えない発電量設計もそのパターンは多岐に渡る
逆潮流を起こさない出力制御もいかにロスを減らすかが重要
逆潮流を起こさない出力制御もいかにロスを減らすかが重要
他にも蓄電池を組み合わせるなど環境やニーズに最適な設計が求められる

同社が提案するシステム設計には『使用量を超えないよう発電容量を設定』『逆潮流が起こらないよう出力を制御』するなどいくつかのパターンがある。(図(1)(2)参照)使用量以上の発電が可能な場合でも、逆潮流を起こすとパワコンが停止するなどの問題が起こるため、使用量を超えない範囲で検討することもポイントだという。

売電目的であれば設置できるスペースに最大限のパネルを設置すればよいが、自家消費の場合は、例えば広大な屋根がある施設でも、その一部しか使用しない設備とする場合もある。IKEAの弥富物流センターもこれに当てはまる。

「神戸店については供給電圧が特別高圧であったため通常よりも工事の難易度が高く、電力会社との協議においても専門的な知識が求められました。自家消費の場合、既存施設のデマンドデータを基に電気使用量を調べたうえで発電設備を設計する必要があり、これに対して電力会社から承認を得なければなりません」と、エネテク関東支社長兼保守管理本部長の野口 貴司氏は説明する。

自家消費が難しいといわれる理由の一つがそのシステム設計にあり、ここでは消費電力の分析がカギとなる。「どれくらいの量をどう使用しているのか。そこを分析しなければ、せっかく発電した電力が余ってしまい収益が減る可能性があります。また、年間発電量と消費量のシミュレーションに基づく収支計算を現実に即したかたちで提案できるのも当社の特長です」と建設事業部設計積算課係長の東 伸宏氏は語る。またシステム提案において電気工事業者としての経験を活かし最適な機器・資材の選定を行っているのも、エネテクの強みの一つだ。

業界の標準を構築

その知見と顧客への配慮が選定力として発揮される一例にパワコンがある。「自家消費用のパワコンは高調波を発生させる場合があり、それが既存設備に影響を与えてしまうことも。当社としては機器選びや工事方法を工夫することで、同問題の低減を図っています。『つくった電気をどう使うか』というところまで把握している我々だからこそできる提案です」と東氏は説明する。さらに感度の良い漏電ブレーカーを使っている場合など、万が一でも落ちて生産設備が停まることがないよう、設備への繋げ方に工夫を重ねると言う。

【自家消費型太陽光発電と太陽光O&Mサービスに関するダウンロード資料】
お問い合わせはこちら

次ページ →自家消費は再エネ主力電源化

この記事にリアクションして1ポイント!(※300ポイントで有料記事が1本読めます)

関連記事