みどりの食料戦略への提言 農薬による昆虫多様性影響(前編)
今回の五箇先生のコラムは、ネオニコチノイドやフィプロニルといった浸透移行性の農薬による昆虫への影響について。
これまでのリスク評価では複雑な影響プロセスまで見通すことができず、ガイドラインに沿った農薬でも悪影響が抑えられなかった結果、日本でもアキアカネやハナバチ類等の個体数が減少しているのではないかと指摘されている。
リスク評価システムの高精度化が急がれているが、五箇先生の提言とは。(以下、文・五箇公一氏)
ネオニコチノイド農薬による昆虫類の減少
近年、昆虫類が世界的に減少していることが研究者たちから指摘されており、その要因の一つとして農業用殺虫剤が挙げられている。特に、1990年代に多用されるようになったネオニコチノイド系殺虫剤による野生昆虫類に対する生態影響がこれまで国内外で議論されている。
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