11月にエジプトで開かれた「COP27」は、予定されていた会期を延長して交渉が続けられました。話し合いがまとまりにくい要因には、経済的な負担問題、先進国と後進国との思惑の差が大きいことがあります。最終的には、気象災害の被害を受けやすい途上国側が求める「損失と損害」の支援について、基金の創設を盛り込むことに決まりました。
「気候難民」は2050年までに2億人以上に
2022年は世界各地で、干ばつや洪水など異常気象が頻発しました。中でもパキスタンは国土の3分の1が水に浸かり、未だ水が引かない地域を中心にマラリアなどの感染症が蔓延しています。地球温暖化は猛暑の頻度を上げるだけでなく、極
端に雨の増える地域を生み出す原因にもなります。気温が1℃上がると水蒸気の量が7~8%増え、それだけ降水量が増え
ることにつながるのです。