EU洋上風力の開発増に赤信号、忍び寄る技術作業員不足

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夏休みでイタリアからデンマークへ帰る途中、ベルリンの北西50kmくらいにある高速道路のサービスエリアで立ち寄ったトイレに、風力タービンのサービス技術者を募集する大きなポスターが貼られていました。

KOMM BEI UNS HOCH HINAUS! SERVICE TECHNIKER fur Windener-gieanlagen(私たちと、さらに高みに!風力タービンのサービス技術者)。

デンマークの調査機関が発表した最新のデータによると、デンマークが脱炭素目標を達成するには、2030年までに環境エネルギー関連の業界では12万6000人の労働力が必要になると予測しています。

デンマーク最大の経済団体Dansk Industri(ダンスク・インダストリ)のCEOラース・サンダール・ソレンセン氏も、民間、公共部門を問わずあらゆる産業で、熟練労働者の需要がどれほど膨大であるかは知っているが、この数字には圧倒されると語っています。

EUの洋上風力発電は、10年間で約32GW、10倍以上増加しています。「リパワーEU」計画では、2030年までにエネルギーの42.5%を再エネで賄うという法的拘束力を持つ目標を最終決定しました。

業界団体のウィンドヨーロッパによると、EUが再エネの比率を現在の32%から新たな目標の42.5%に引き上げるには、風力発電容量を今の205GWから420GWへ、洋上風力発電容量は17GWを103GWへと、大幅に増やす必要があると発表しています。

急拡大する再エネ産業を支える労働力は無尽蔵でない

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