「化石燃料からの脱却」に合意 地球沸騰化時代のCOP28結果の主要点
CO28が12月13日に閉幕した。7月に国連のグテーレス事務総長は「地球沸騰化の時代」と警鐘を鳴らした後のこの会議ではどのような議論がなされたのか。「化石燃料からの脱却」に合意したがその実効性は?また、気候変動による損失と損害のための基金には7億9200万ドル(日本円で約1150億円)の拠出が表明されたが、果たして対策として十分なものなのだろうか。京都大学名誉教授で地球環境戦略研究機関シニアフェローの松下 和夫氏に「COP28の結果とビジネスへの意味」を解説してもらった。(前編)
地球沸騰化時代のCOP28
観測史上最も暑かった今年の12月に産油国のUAE(アラブ首長国連邦)でCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)が開催された。COP28の交渉の中心は、パリ協定の下での初めての「グローバル・ストックテイク」の集大成であり、特に化石燃料についてどのような見解を示すかであった。