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最終更新日:2026年09月19日

自己託送

環境ビジネス編集部
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自己託送とは、自家用の発電設備や蓄電設備を保有する事業者が、一般送配電事業者の送配電ネットワークを利用して、自ら発電または放電した電気を遠隔地にある自社拠点や密接な関係を持つグループ拠点へ供給・送電する仕組みである。小売電気事業者を介さずに電力を直接送電して自家消費するため、電気料金のうち再生可能エネルギー発電促進賦課金の負担対象外となる特徴を持つ。オンサイトでの発電設備導入余地が限られる企業において、オフサイトから再エネ電力を調達する有効な手段として注目されている。

自己託送の法的要件と対象範囲

自己託送は2013年の電気事業法改正による電気システム改革の一環で制度化された。対象となる設備は、売電を主目的としない自家用の発電用または蓄電用電気工作物である。FIT制度やFIP制度の認定を受けた発電設備は対象外となる。

電力の供給先となる需要家は、発電設備の設置者本人に加えて、経済産業省令で定められた「密接な関係」を有する者に限定される。これには会社法上の親会社・子会社や関連会社、生産工程上で緊密に連携している拠点のほか、2021年11月の制度見直しによって解禁された、一定要件を満たす組合を組成した企業群(組合型自己託送)などが含まれる。

送電時には送配電網を利用するため託送料金が発生するものの、電力の小売りには該当しないため再エネ賦課金が賦課されない。この費用構造が、電力コスト抑制と脱炭素化を両立させたい需要家にとっての大きな利点となっている。

PPAモデルとの相違点と2024年指針改正のポイント

自己託送と類似する調達手法としてコーポレートPPAがあるが、契約形態や法的責任において明確な差異が存在する。需要家が敷地外の発電事業者から電力を買い取るオフサイト型のPPAモデルでは、通常は小売電気事業者が介在して電力供給を行い、需要家は再エネ賦課金も負担する。これに対し、自己託送はあくまで自社または密接関係者が設置・運用する電源からの自家消費である。

かつては第三者が所有・設置する設備を活用した「自己託送型PPA」と呼ばれる形態も見られたが、経済産業省が策定する『自己託送に係る指針』が2024年2月12日に改正され、再エネ賦課金の減免目的などによる不適切なスキームへの規制が強化された。現行の指針では、他者から譲渡や貸与(リース等)を受けた設備は対象外とされ、需要家自らが設備を設置し、維持・運用する責任を実質的に負っていることが厳格に求められる。

実務導入における課題とインバランスリスク

実務で自己託送を導入・運用する際には、計画値同時同量義務への対応が不可欠となる。自己託送を行う事業者は、発電設備を「発電バランシンググループ」、需要拠点を「需要バランシンググループ」に属させ、30分単位で発電計画と発電実績、需要計画と需要実績を一致させなければならない。この差分から乖離が生じた場合には、一般送配電事業者からインバランス料金がペナルティとして請求される。

天候によって出力が変動する太陽光発電などを自己託送する場合、正確な発電予測や蓄電池の併設、需給管理を担うアグリゲーターの活用がリスク低減の鍵となる。実際に、日本電気硝子が敷地外太陽光を活用して構築した自己託送スキームのように、工場敷地外に設けた電源から30分同時同量を維持して拠点の電力を賄う実装例や、タクマエナジーによる尼崎市のごみ処理施設余剰電力の自己託送支援のように、自治体施設の廃棄物発電の余剰分を公共施設へ融通する地域脱炭素の取り組みも進められている。

加えて、新設の発電所を系統に接続するにあたっては送配電容量の空き状況を確認し、ノンファーム型接続による出力制御リスクを事前に織り込んだ採算性検証を行う必要がある。

参考

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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