国土交通省、浮体式洋上風力発電施設の安全確保のため技術基準を制定
国土交通省は、浮体式洋上風力発電施設の普及促進に向けて、安全確保のため技術基準を制定した。本技術基準をもとに、浮体式洋上風力発電施設の国際標準化を日本が先導し、関連産業の国際競争力を強化するとともに、浮体式洋上風力発電の普及拡大を図るのが目的。
風力発電については、エネルギー基本計画等によりその推進が位置づけられており、また、東日本大震災を踏まえ、その導入促進に大きな期待が寄せられている。特に洋上は広大な空間と安定した風環境を有し、遠浅の海域が少ないなどの地形上の制約から、浮体式洋上風力発電のポテンシャルは非常に大きいと考えられている。また、震災復興事業のひとつとして、福島沖においても浮体式洋上ウインドファーム実証研究事業が本年3月より開始されている。
本技術基準は、浮体式洋上風力発電施設に係る安全性の検討を行い、船舶安全法に基づき構造や設備の要件について定めたもの。本施設の設計に必要となる技術上の要件を明確にするとともに、福島沖の実証事業にも適用し、安全確保を図る。
浮体式洋上風力発電施設技術基準では、「単体での安全確保」「非常時の安全確保」について定めている。「単体での安全確保」では、50年間に起こりえる暴風、風浪に耐える構造及び強度、設計上の使用期間を踏まえた適切な腐食対策、風や波により転覆しないこと、等、「非常時の安全確保」では、万が一、係留索が1本破断した場合でも、施設が漂流しない係留方法、地震及び津波の影響についても考慮すること、等が挙げられている。
今後、具体的な設計手法、性能評価方法等を定める設計指針(安全ガイドライン)を平成25年までに策定する予定。
参考:国土交通省 - 浮体式洋上風力発電施設の普及促進について 安全確保のため技術基準を制定
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