シムドライブ、1度の充電で351kmの航続距離を達成したEV試作車を開発
電気自動車(EV)の開発を手がけるシムドライブは、1度の充電で351kmの航続距離を実現した先行開発車2号「SIM-WIL」を開発した。また、同社は、26機関の参加を得て、先行開発車事業第3号を開始すると発表した。2013年3月の完成を目指す。
シムドライブは慶応大学発のベンチャー。高い技術力とオープンソースの新しいビジネスモデルでのEVの普及を目指し、様々な企業との連携により、「SIM-Drive(シムドライブ)」を搭載したEVの開発を行っている。そのコア技術は、車輪の中にモータを内蔵させて車体の軽量化や動力伝達のロスの抑制を図る動力システム「インホイールモーター」と、床下に電池やインバーター等、主要部品を内蔵させる「コンポーネントビルトイン式フレーム」だ。
先行開発車2号「SIM-WIL」の開発は、2014年頃に量産化を目指すEVの先行開発車の試作を行うことを目的に、2011年1月より約1年の期間で実施してきたもの。本事業には、旭化成、東レ、東北電力、日立化成など、将来、EVビジネスに参入を意図している34機関が参加した。
「SIM-WIL」は、2つのコア技術を採用し、一充電航続距離351kmのほか、小型車の外形サイズ(Bセグメント)で大型車(Eセグメント)に相当する車室、スタートから100km/hまで5.4秒と中級レベルのスポーツカーに匹敵する加速性を実現した。
先行開発車事業第3号では、2015年頃に大量生産が可能になることを目指したEVの先行開発車を試作する。本事業には、自動車関連企業に限らず住宅メーカー、電機、空調など様々な業種26機関が参画する。
同社は、参加機関の同意のもと、スマートハウス、スマートシティ、スマートグリッドとEVを結ぶ概念を「スマート・トランスポーテーション」と名付けた。3号事業では、先行開発の試作に加えて、スマート・トランスポーテーションの概念を創り、これを実現するためのハードウェア、ソフトウェアの開発に取り組む。車両のコンセプトは「ハイパフォーマンス」とし、高い動力性能を持ちながら、居住性、乗り心地に加えて、エネルギーのスマート利用の実現を図る考えだ。
3号事業には、宇部興産、積水ハウス、大同工業、デンソー、フジクラ、三菱電機、横浜ゴム、リチウムエネジージャパンなどが参画する。
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