愛知県、下水汚泥からバイオ燃料を製造、火力発電所で混焼

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愛知県は、下水汚泥からバイオマス燃料(炭化燃料)を製造する施設を衣浦東部浄化センターに建設し、4月2日より下水汚泥燃料化事業を開始したと発表した。製造するバイオマス燃料は、中部電力碧南火力発電所で石炭と混焼利用する。本事業により年間約8,000tのCO2削減効果を見込む。

本事業は、これまで焼却処分されていた下水汚泥を燃料化施設で炭化処理し、バイオマス燃料を製造、火力発電所で混焼するもの。中部地方では初めての取り組みとなる。下水汚泥を資源として長期安定的に活用するともに、温室効果ガスの削減に貢献するのが目的。製造されたバイオ燃料は、有価物として中部電力に売却できるため、下水処理コストの軽減にもなる。

下水汚泥燃料化事業は、中部電力とメタウォーターが受託し、参画する。両社は、2011年10月に、中部電力と共同で特別目的会社である愛知衣浦バイオを設立。本会社は、2012年4月から2032年3月までの20年間にわたり、1.燃料化施設の運転・維持管理、2.製造した下水汚泥炭化燃料の買い取り・販売を行う。

愛知県の流域下水道では、下水汚泥を肥料・セメント原料や建設資材等として利用するなどの取り組みを行っているが、今後の下水道の普及拡大に伴い、汚泥発生量の増加が見込まれることから、本事業の実施を決定。2009年度から本施設の建設を進めていた。本事業により燃料化する下水汚泥は年間33,000tで、愛知県流域下水道における平成22年度の汚泥発生量の約1/5に相当する。

一方、電力会社各社は、RPS法(電気事業者による新エネルギーなどの利用に関する特別措置法)による再生可能エネルギーの導入義務量達成に向けた取り組みのひとつとして、木質バイオマスとの混焼発電に注力しており、中部電力でも実証実験を経て、2010年9月より本格運用を開始している。

参考:愛知県 - 下水汚泥が環境にやさしい燃料に生まれ変わります

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