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カリフォルニア州の炭素価格急騰、欧州の2倍に

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(ロンドン、2012年8月8日、ブルームバーグ)-ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの調査によると、カリフォルニア州では、規制に関する不確実性の減少と、原子力発電所の停止に関する懸念から、二酸化炭素排出権価格が急騰しており、米国で最も人口の多いこの州の炭素価格は、はるかに歴史の長い欧州連合の排出権取引システムの価格の2倍以上に達している、と発表した。

2012年12月受渡のカリフォルニア州二酸化炭素排出権(CCA)価格の7月24日の終値は、CO2同等物1トン当り19.50ドル(16.04ユーロ)で、今年に入ってからの終値として最高を記録した。同日の2012年12月受渡の欧州連合排出権(EUA)価格の終値は、CO2 1トン当り7.20ユーロだった。

このようにカリフォルニア州の価格が欧州の価格をはるかに超えたことは、米国が気候変動対策に消極的であるという通念を持つ欧州人にとっては驚きであるかもしれない。皮肉なことに、カリフォルニア州の方式は、今年初めに環境保護団体(the Association of Irritated Residents)が起こした訴訟によって頓挫する危機にさらされていた。この団体は、この方式が十分厳格でないと主張していた。

欧州では昨日、欧州委員会が、2013年に開始されるEU ETSフェーズ3のオークション取引量を変更する提案を発表したが、EUAの価格は低迷したままだった。この変更が議会と理事会で承認されると、当初フェーズ3の初期に予定されていたオークション取引量の一部が後年に延期されることになる。欧州委員会によるこの変更提案は、EU ETSの価格が低すぎてクリーンエネルギー分野に必要な投資を促進できないという多方面からの批判に応えたものである。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの予測によると、長期的には、カリフォルニア州とEU ETSの価格はともに大幅に上昇すると見られる。どちらの地域でも、2020年以降の期間における排出量削減目標は引き続き強化される見込みだからだ。現時点での基本ケースの予測によると、2020年の排出権のスポット価格はどちらの市場でも同じで、CO2 1トン当り45ユーロ(55ドル)に達すると見られる。2つの市場の予測値が一致するのは全くの偶然であって、実際にはこれらの市場の間には重要な構造的相違がある。EU ETSでは京都市場で取引される国際クレジットが利用できるが、カリフォルニア州ではできない。また、EU ETSの最大の部門は発電であるのに対し、カリフォルニア市場で排出量が最大なのは運輸部門である。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの炭素市場調査責任者Matthew Cowieは次のように語る。「欧州は長期的にEU ETSを強化する政治的意志を持っているようだが、問題解決のプロセスには引き続き遅れが生じるだろう。1カ月前には、ほとんどの市場参加者が2012年末までにオークション規制の変更が行われると予想していたが、現在ではその実現は2013年に持ち越されるという見方が支配的だ。この市場が失われた重要性を取り戻すには、熱意と構造的安定性の両方が必要だ」

図1:カリフォルニア州と欧州における2012年12月炭素先物契約の2012年初頭からの価格推移 (EUR/tCO2)

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの北米調査責任者Michel Di Capuaはこう語っている。「全国レベルでキャップアンドトレードを導入する試みが何度か失敗したために、北米の炭素市場はもう終わったと多くの人が考えている。しかしそうではない。今まさに、意味のある取引可能な市場が生まれつつあり、長期的にはカリフォルニア州の電力、産業、運輸部門を変革していくだろう。ビジネス界は注目する必要がある。この市場は、米国最大規模のいくつかの電力会社や、世界最大規模のいくつかの石油・ガス会社などに影響を与えるからだ」

カリフォルニア市場の先物契約は2011年から取引が開始された。対応するスポット市場は2013年開始予定である。EU ETSの先物契約は2003年に開始され、スポット取引の開始は2005年である。

(ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス 担当:坂口 ssakaguchi2@bloomberg.com)

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