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粘土鉱物や植物内の放射性物質を水熱爆砕処理で除去する技術

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粘土鉱物や植物内の放射性物質を水熱爆砕処理で除去する技術

前田建設工業は、従来は対応困難であった粘土鉱物や植物の細胞内などに入り込んだ放射性物質の分離、除去および回収までの技術を、世界で初めて実規模プラントでの実証に成功したと発表した。今後、本技術を活用し、国や各自治体が抱えている放射性汚染物質や除染廃棄物の減容化事業に乗り出し、積極的に展開していく考えだ。

同社は、CDMコンサルティング、東京工業大学、原子力研究バックエンド推進センターと、放射性物質の分離・除去技術の実用化に取り組んできた。今回の成果は、水熱爆砕処理によるセシウムの分離技術を適用した実規模プラントを構築して実証実験を行い、高い処理効果を確認するとともに、日本原子力研究開発機構(JAEA)から技術の有効性に対する評価を得たもの。

水熱爆砕処理とは、水と汚染物質を混合攪拌し、温度と圧力を加えて亜臨界状態(温度260℃、圧力4.5MPa)としてセシウムを物質から分離させた後、一気に圧力を解放して汚染物質に衝撃を加えて物質構造を破壊し、セシウムを水系に移行させるもの。水系に移行したセシウムは、フェロシアン化鉄を用いた凝集沈殿技術により容易に回収を行うことができる。

同社は、本技術を適用した一日あたり約5トンの汚染土壌を処理可能な実規模プラントを構築し、本年7月に同プラントを使用して実証実験を行った。非放射性セシウムを吸着させて汚染農地の土壌を模擬した試料を用いた実験結果では、80%以上のセシウム除去率と80%以上の減容化率を得た。

本技術は、この結果により、8月9日、国による除染技術の有効性評価を担当しているJAEAから「土壌に吸着したセシウムの除去効果が期待できる」との評価を得た。さらに、プラントの反復運転により、95%以上のセシウム除去率を得られることも実証されている。

また、本技術およびプラントは、粘土鉱物や植物細胞内に入り込んだセシウムに加え、従来は対応困難であった汚泥、焼却灰、溶融灰、剪定枝等、さまざまな物質のセシウム除去処理が可能であり、適用範囲が極めて広いことも大きな特徴。さらに、本技術は単なる要素技術ではなく、セシウムの分離から回収、処理に至るまでの一連の工程を備えた総合技術となっている。

従来の主な除染技術は、汚染土壌を水洗いする、表土のみを剥ぐ、セシウムが多く吸着した粘土など細粒分のみを分級する等であり、粘土鉱物に入り込んだセシウムを除去することはできなかった。また植物が吸収したセシウムや溶融灰などの除去も、これらの方法では不可能だった。一方、熱を加える処理方法では、空気中へのセシウム離散や処理プラント自体の汚染等の安全上の問題があった。

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