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NEDO・産総研 新材料で調光ミラーの耐久性向上、オフィスの省エネ窓に活用へ

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NEDO・産総研 新材料で調光ミラーの耐久性向上、オフィスの省エネ窓に活用へ

NEDOの産業技術研究助成事業(若手研究グラント)の一環として、産業技術総合研究所は、マグネシウム・イットリウム系合金の薄膜材料を用いた調光ミラーで、鏡状態と透明状態の切り替えに対する耐久性を飛躍的に向上させることに成功したと発表した。この調光ミラーを活用することにより、オフィスビルなどの冷房負荷を大幅に低減する窓ガラスの実用化が期待される。

窓ガラスは、外光を室内に取り入れる役割を担うが、同時に大きな熱の出入り口となっており、建築物の断熱を妨げる主な要因となっている。そのため、市販の高断熱窓を用いるだけで冷暖房負荷が3~4割低減できると試算されている。さらに外気温や日射の強さに応じて、光や熱の出入を調節できる窓に変えれば、生活様式を変えることなく膨大な量のエネルギーの節約が期待できる。この光や熱の出入を調節(調光)する最も効果的な方法として、光学特性を鏡状態と透明状態との間で可逆的に切り替えできる調光ミラーを用いることがあげられている。

今回、産総研は、鏡状態から透明状態、透明状態から鏡状態に戻すことを1サイクルとした切り替えにおいて、10,000サイクル以上の耐久性をもつ調光ミラーをマグネシウム・イットリウム系合金の薄膜材料を用いて実現した。10,000サイクル以上のサイクル数は、1日に朝と夕方で2回の鏡状態と透明状態の切り替えをしたとき、約30年に相当する。

調光ミラーを窓ガラスとして使用する場合、水素ガスと酸素ガスの簡便な供給システムが必要となる。産総研は、今後、ガス供給システムの開発に取り組み、調光ミラーを用いた窓ガラスユニットの開発に着手する。さらに、紫外線に対する耐久性の評価などを行うことで、近い将来、オフィスビルの窓材に用いて冷房負荷を大幅に低減できるよう研究開発を進めていく計画だ。

なお、この技術の詳細は、平成24年9月27日(木)から東京国際フォーラムで開催されるイノベーション・ジャパン2012において発表し、試作品の展示とデモが行われる。

調光ミラーは、水素や酸素の導入や電気化学的作用などにより、光学的な性質を透明状態、鏡状態、さらにそれらの中間の状態に自由に制御できる材料のことをいう。このような調光ミラー特性を示す材料が求められてきた。2001年には米国の研究グループが、比較的安価なマグネシウム・ニッケル(Mg-Ni)合金薄膜を用いて調光ミラーが開発したが、透明状態でも赤茶色に色づいているなどの光学特性に関する問題があった。産総研では、2002年から調光ミラー用薄膜材料の研究開発に着手し、透明状態における光学特性に優れ、さらに切り替えに対する耐久性が高い調光ミラーの実現に向けて、新たな薄膜材料や調光ミラーに適した構造を探索してきた。

参考:NEDO - 調光ミラーの鏡状態と透明状態の切り替えに対する耐久性を飛躍的に向上

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