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洞爺湖G8サミット目前、環境大臣会合

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気候変動対策に必要なのは絵に描いた目標数値より日本の技術

鴨下一郎環境相

「温暖化ガスの中期削減目標に関して中国の参加が期待されているが、その実現にとってもっとも重要なことは省エネや再生可能エネルギーの技術移転だ。

これらをいかに速やかに導入できるかが削減のカギを握るが、それには先進国からの資金面と技術面の協力が不可欠だ。技術移転のための基金の創設や技術協力を期待する」
(中国国家発展改革委員会・解振華副主任)

「インドは再生可能エネルギーの導入により低炭素社会へ向け、共通だが差異ある責任の一端を果たすための行動計画を進める。しかし、ピークアウトの時期は先進国からの技術移転にかかっている。世界一の技術力を誇る日本でできないことを新興国に求めるのは不可能だ」
(インド政府高官による非公式発言)

「先進国企業による新興国の子会社を通じた技術移転による気候変動対策がもっとも効果的だ。また、途上国には途上国に合った技術開発の必要がある」
(ブラジル・アナマリア=フェルナンデスUNEP常駐代表)

5月24日~26日にかけて行われた環境大臣会合では、中国、インド、ブラジルなどG8以外のアウトリーチ国の発言への注目が集まった。洞爺湖サミットに向けた「福田ビジョン」では2020年の数値目標への言明はなかった。しかし、温暖化ガスのピークアウトにはポスト京都枠組みへの多量排出新興国の参加が不可欠。

ドイツの代表からは
「新興国が2020年20%削減に参加するならドイツは30%から40%に目標を引き上げるつもり」との発言もあり(環境省・南川秀樹地球環境局長談話)、削減への参加を引き出そうとする積極姿勢を示した。

また、会合後の取材にもノーコメントで通すなど存在感の薄い米環境保護庁長官とは対照的に、大統領選を待たずにポスト京都枠組みを決めたいECの環境総局副総局長のジョス・デルベク氏は単独記者会見を通じ、セクター別アプローチへの支持を表明した。

鴨下一郎環境相は
「本会合でも当初誤解されていたが、セクター別アプローチが国別の総量目標を代替するものではないということは本会合で全参加国に理解いただけた。'07年のハイリゲンダム・サミットはバリ・ロードマップへの道筋をつくった。洞爺湖サミットはポスト京都枠組みを決める'09年コペンハーゲンのCOP15への明確な道筋をつくることが課題だ」と記者らの質問に答えた。

日本の省エネや太陽光発電の技術移転には世界から大きな期待が寄せられる。国際社会におけるリーダーシップと産業界の国際競争力を両立する道はあるのか。洞爺湖サミットまで残された時間はあとわずか。福田政権の手腕に期待する。

G8環境大臣会合の主な成果

気候変動 2050年長期目標の達成に向けた低炭素社会への移行に合意/国際研究ネットワークの設立/排出削減のための経済的手法の活用/カーボン・ディスクロージャー
先進国と途上国の協力 コベネフィット・技術移転/水資源や災害防止、食料、公衆衛生、沿岸管理など/途上国支援のための資金/人材育成
2013年以降枠組み セクター別アプローチの有効性への理解と賛同/主要経済国間の対話の重要性と低炭素社会に向けた「神戸イニシアティブ」 ほか
生物多様性 生物多様性2010年目標達成への取組および効果的なフォローアップ/科学的な把握/持続可能な利用/技術移転と資金協力/気候変動との関わり分析 ほか
3R 3Rイニシアティブの進捗/国際的な循環型社会の構築/神戸3R行動計画における「新ゴミゼロ国際化行動計画」 ほか

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