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米・グリーンニューディールへの実施段階へ

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景気対策法成立、予算基本方針発表、EPA予算案34%増

ブラジルのルラ大統領と会談したオバマ大統領

G20開催前の意見調整のため、ブラジルのルラ大統領と会談したオバマ大統領。ブラジルからのエタノールの輸入に関するガロン当たり54セントの課徴金など、バイオ燃料貿易をめぐっても、時間をかけて解決していく強調路線が確認された。

オバマ大統領が公表していた「アメリカのための新たなエネルギー」計画への一部対応を含む景気対策法案が、上下議会指導部の調整を経て、2月17日、8000億ドルから7890億ドル(約71兆円)に減額の上成立した。景気対策法案に示された具体的内容は別表のとおり。「350万人の雇用を生み出す」という同法の内容をガラス張りで国民に伝えるため、米ホワイトハウスでは「Recovery.gov」という新公式サイトを追加。政策の効果や内容を詳細に伝えている。エネルギー面でも「効率」徹底して打ち出しているだけに、同サイトの動画でも、大統領は「非効率性、ムダ、不要支出の徹底した削減努力」を強く訴えている。

景気対策法成立に続いて予算基本方針発表

2月26日、オバマ米大統領は政権初の予算の基本方針を発表。10年度(本年10月~10年9月)の連邦予算として、3兆5500億ドル(過去最大)を提示した。今後は議会との調整に入ることとなる。

環境予算に関しては環境保護局(EPA)の予算を78億ドルから105億ドル(約1兆300億円)へと34%増額。これは、連邦当局中最も高い増額率である。また、一部の石油・化学メーカーへの有毒廃棄物処理費用の課税負担を示すなど、昨年、環境対策予算を減額したブッシュ前大統領とは対照的な方針となった。

基本方針に引き続いて、環境保護局(EPA)の予算教書も3月に入って公表。同局の目的は名目通り環境保護、汚染浄化に多くが割かれていることから、予算の大半は飲料水や廃水処理関連プロジェクトへの39億ドル、五大湖保護などを中心とした浄水プログラムに充てられている。そして、基本方針に示された一部企業への課税はスーパーファンド・トラスト・ファンド法の復活として提示された。推定税収は10億ドル以上。ただし、2011年以降の景気回復を待ってスタートするとしている。

ここ5年の米環境保護局予算

(左)米国の温室効果ガス排出量の推移、(右)ここ5年の米環境保護局予算

キャップアンドトレード実施へ

また、米国の2007年温室効果ガス排出量が公表され、2006年から1.4%増加したことが明らかになった。CO2換算で約71億2500万トンとなっており、1990年比で17.1%増(当局は理由として燃料や電気の消費に伴う増加をあげている)。

この現状に対して、オバマ大統領自身、大統領選挙時からキャップ・アンド・トレードと呼ばれる方式も活用した削減目標設定を提案してきたとおり、今回のEPA予算教書で、ついに排出量取引制度を中心とする排出削減プログラムの導入が示された。2005年レベルから、2020年までに14%減、2050年までに約83%削減するとしており、あわせて、温室効果ガス排出インベントリの整備を急いでいる。「米国機構行動パートナーシップ」(GM等の米国大企業26社と環境団体で構成)も先だって米議会にCO2削減義務化を提言しており、こうした世論が後押しして成立への動きを強めている。

景気対策法の概要

内容 出資額
先進的電力供給システムの導入、エネルギー効率化 300億ドル
今後10年間のエネルギー効率化へ向けた税制対策(新エネルギー関連機器生産支援、風力発電等の製造者支援、ハイブリッド車購入への税額控除) 200億ドル
水処理、水環境改善 180億ドル
公共住宅などのエネルギー効率化 63億ドル
中低所得世帯向けエネルギー効率化 50億ドル
公共建築物のエネルギー効率化 45億ドル

EPA(米環境保護局)2010年度予算案

内容 予算額
温室効果ガス排出量を2005年レベルから、2020年までに14%減、2050年までに約83%削減する 排出量取引制度を中心とする排出削減プログラムを策定 -
温室効果ガス排出インベントリの整備など 1900万ドル
州水質浄化回転融資基金(CWSRF)及び州飲料水回転融資基金(DWSRF)補助 水質浄化事業約1000件、飲料水事業約700件を支援 39億ドル
スーパーファンド税復活を含むEPAの中心的な研究、執行、規制業務の強化 (税収)10億ドル以上
世界最大の淡水資源としての五大湖保護(外来種問題、非特定排出源、生息地の回復、底質汚染) 4億7500万ドル

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