> > 先進国から途上国へのクリーンエネルギー投資は、わずか年間80億ドルに留まる

先進国から途上国へのクリーンエネルギー投資は、わずか年間80億ドルに留まる

記事を保存

(12月4日、ブルームバーグ)

ドーハで開催されているUNFCCC COP18会議で世界中からの参加者が気候に関する交渉を進める中で、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスから公表された報告書によれば、2011年に大規模なクリーンエネルギー発電およびバイオ燃料生産の開発促進のために先進国から途上国に供給された資金は、わずか80億ドルに留まったことが分かった。

これは、2009年のコペンハーゲンでのCOP会議で先進国が約束した、2020年まで実施するとする年間1000億ドルのクロスボーダー投資(CBI)の8%にあたる。この約束は、その後のカンクンとダーバンでのCOP会議でも確認されている。

報告書の主な結論:2011年に投資された2800億ドルの新クリーンエネルギー基金のうち、再生可能発電プロジェクトおよびバイオ燃料プラントへのアセットファイナンスは1650億ドル(60%)に上った。アセットファイナンスの3分の2以上(1150億ドル)が、国内の出資者、すなわち自国市場に投資する企業からの資金であった。国外への投資は443億ドルであった。

昨年には新興国への投資のシフトが見られ、CBI投資に占める新興国の割合が初めて25%を超えた。このシフトを牽引したのは、新興国間(途上国から途上国へ)の投資が87%も増加したことにある。一方で、先進国から途上国への投資の伸びは35%に留まった。

2011年の投資額は、先進国から先進国へが310億ドル、途上国から先進国へが13億ドル、途上国から途上国へが38億ドル、先進国から途上国へが79億ドルであった。先進国から途上国への数字は、国際気候会議で先進国が約束した、途上国の気候変動対策を支援するための年間1000億ドルの一部をなすものであるが、そのわずかな割合を占めるに過ぎない。この目標の詳細な構成は、いまだ決定されずにいる。

2011年に国境を越えて投資された443億ドルのうち、公的資金はわずか13%(58億ドル)と推定されている。再生可能エネルギー設備への資金のほとんどは民間からのもので、2004年から2012年上半期までの期間のCBI投資の平均90%を占める。

ドルベースでの統計によると、2004年以降のCBIの最大の受取国は米国で、累計流入額は625億ドルに上る。これは、2位のスペインと3位の英国の合計額の3倍近くに相当する。海外投資額が大きい国は、ドイツ(398億ドル)、スペイン(285億ドル)、フランス(214億ドル)、米国(182億ドル)の順であった。

2004年以降の再生可能エネルギー関連の新規建設アセットファイナンス総額が最大だったのは中国で、累積投資額は1922億ドルに上った。そのほとんどが国内の投資家からのもので、海外投資家からの額はわずか79億ドル(4%)だった。米国のプロジェクトへの総投資額は1644億ドルで、そのうち38%が国外からの資金であった。

海外へのドルベースの投資額が最大だった国はドイツで、2004年から2012年上半期までの海外投資額は398億ドルに達した。ドイツのこの地位は、貿易金融と輸出市場向け製造の両方における長い伝統を反映している。

この報告書で公表された投資額は、再生可能エネルギー資産への投資を対処としている。これは、気候関連のインフラ支出の単一部門としては最大の割合を占める。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの最高責任者Michael Liebreichは、次のように語る。

この分析から分かるのは、途上国に気候対策資金として年間1000億ドルを供給するという約束が、実現から程遠い状態にあることだ。

ドーハでの気候交渉ではグリーン気候基金の制度構成について話し合いが行われているが、この分析から明らかになったように、真の問題は、民間部門が気候関連資産への投資に積極的でないことと、先進国政府が強い財政的政治的圧力によりその不足を補う役割を果たせないことにある。

ただし民間部門では、途上国のクリーンエネルギー資産への投資を大幅に増やす気運が高まっており、その準備も整いつつある。その障害となっているのは、クリーンエネルギーに起因する要因ではなく、新興国市場で認知されている通貨や政治に関するリスクである。

これらの懸案は重大であるが解決不可能ではなく、国際社会が政治と金融の両面の手段を適切に組み合わせることで対処できるはずである。


報告書(英文)の全文は弊社ウェブサイトからダウンロード可能となっております。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.